- 2025年11月7日
【インフルエンザ警報】明石市で流行が警報レベル(40.36)に突入。昨季より6週間早い流行に備え、ワクチン接種を強く推奨します

たなか内科クリニックです。
最新の感染症情報(2025年第44週:10月27日~11月2日)に基づき、インフルエンザの流行状況について緊急のお知らせです。
兵庫県、および明石市において、インフルエンザの流行が急速に拡大しています。
神戸新聞の報道によると、兵庫県全体でインフルエンザの流行が「注意報レベル」に入りました。これは、昨季に比べて約6週間も早い状況です。
中でも明石市の状況は特に深刻です。
あかし保健所管内のインフルエンザ定点あたり報告数は「40.36」に達し、警報レベルの基準である「30」を大幅に超えました。兵庫県全体(15.27人)と比較しても、明石市で際立って感染が拡大していることがわかります。
1.お子様(15歳未満)の間で特に流行

今回の流行の大きな特徴は、お子様を中心に感染が広がっている点です。
兵庫県内では、報告された患者総数のうち、約8割が15歳未満であったと報告されています。兵庫県の週報でも、5歳~14歳で全体の約64%(5-9歳が33%、10-14歳が31%)を占めており 1、小中学校での急速な感染拡大が懸念されます。
実際に、兵庫県内では第44週に196件の臨時休業(学級閉鎖158件、学年閉鎖38件)が報告されており、その多くが小学校(121件)と中学校(55件)です 2。
2.なぜ今、ワクチン接種が必要なのか

インフルエンザの流行はまだ始まったばかりです。これから本格的な冬を迎えるにあたり、今できる最も有効な対策がワクチン接種です。
重症化を防ぐ効果
インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させるだけでなく、最も重要な効果として「発症した場合の重症化」を防ぐことが報告されています。
シーズン中に複数回かかる可能性
インフルエンザにはA型やB型などの種類があり、国内ではA(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型、B型の3種類が主に流行します。
これらは同時期に流行することがあるため、「一度かかったから大丈夫」ではなく、シーズン中にA型とB型両方に罹患する(2回かかる)可能性もあります。
3.ワクチン以外の基本的な予防策も徹底を

ワクチン接種に加え、明石市が呼びかけている以下の基本的な感染対策も、流行を抑えるために不可欠です。
手洗い:帰宅後や食事前など、流水と石鹸で手首まで丁寧に洗いましょう。アルコールによる手指衛生も有効です。
マスクの着用:人の多い場所へ出かけるときはマスクを着用しましょう。
換気と湿度の保持:空気が乾燥すると気道の防御機能が低下します。30分に1回を目安に換気を行い、加湿器などで適切な湿度(50~60%)を保ちましょう。
休養と栄養:体の抵抗力を高めるため、十分な休養とバランスの取れた栄養摂取を心がけましょう。
まとめ:重症化を防ぐために早めの行動を

明石市ではすでにインフルエンザが警報レベルで流行しています。
インフルエンザワクチンは、接種してから効果が出るまでに約2週間かかると言われています。流行がさらに拡大する前に、お早めのワクチン接種をご検討ください。
もし発熱や咳、喉の痛み、倦怠感などの症状が現れた場合は、決して無理をせず、早めに医療機関を受診してください。
感染拡大を防ぐため、インフルエンザと診断された場合は「発症後5日を経過し、かつ、解熱後2日(幼児にあっては3日)」が経過するまで、自宅での療養をお願いします。