- 2025年11月14日
【要注意】あなたのスマホが危険な感染源に?ノロウイルスが媒介する「スマホ食中毒」

こんにちは。兵庫県明石市のたなか内科クリニックです。
当院では、胃カメラ・大腸カメラなどの専門的な消化器内科診療 や、風邪、発熱外来を含む一般的な内科診療、そして感染症対策に日々取り組んでおります。
本格的な冬に向かうにつれ、特に注意が必要となるのがノロウイルスによる食中毒です。ノロウイルスは感染力が非常に強く、当院のブログでも以前、春先の流行状況について注意喚起を行いました。
近年、私たちの生活に欠かせないスマートフォンを介した感染リスクが注目されており、これは「スマホ食中毒」と表現されています。
今回は、この「スマホ食中毒」のメカニズムと、ノロウイルスからご自身やご家族を守るために今すぐできる対策についてお伝えいたします
1.スマホがウイルスを運ぶ仕組み—トイレでの使用に潜む危険

ノロウイルスが食中毒のリスクを高める原因の一つは、日常生活で常に手にしているスマートフォンにあります。トイレで使用している間にスマートフォンを触ってしまうと、トイレに存在している病原菌、微生物、ウイルス(ノロウイルスを含む)がスマートフォンに乗ってしまうためです。
そして、その汚染されたスマートフォンを調理中や食事中に使用することで、ウイルスが食品や口へと運ばれ、感染リスクが著しく高まるのです。ウイルスは消毒をしない限り、スマホの表面にずっと居続けてしまう可能性があります。
2.ノロウイルス感染症の症状と注意点

ノロウイルスを含むウイルス性胃腸炎は、春先だけでなく、気温が下がり乾燥する季節に入るとリスクが高まります。
ウイルス性胃腸炎の主な症状は、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などです。吐き気や嘔吐は、体が異物や毒素を排出するための防御反応ですが、特に小さな子どもや高齢者がこれらの症状を繰り返すと、脱水症状を引き起こしやすく、重症化するリスクがあるため注意が必要です。
腹痛や下痢といった症状が続く場合は、単なる食中毒や胃腸炎だけでなく、急性下痢や慢性下痢、さらには過敏性腸症候群(IBS) など、消化器系の他のトラブルが隠れている可能性も考えられます。
3.スマホ食中毒・ノロウイルスを防ぐための徹底対策

ノロウイルスに対する予防法は、通常の細菌性食中毒とは異なります。
【重要な予防ポイント】
石鹸による徹底した手洗い
ノロウイルスはアルコール消毒に強い性質を持つため、アルコール消毒だけでは効果が不十分な場合が多いです。最も有効な対策は、石鹸と流水を使った丁寧な手洗いを徹底することです。
飲食時や調理中のスマホ使用を控える
感染リスクを下げるため、トイレでの使用はもちろん、食事中や調理中にスマートフォンを触るのを控えることが望ましいです。やむを得ず触った場合は、飲食や調理を再開する前に必ず手洗いをしてください。
環境の消毒(アルコールはNG)
ノロウイルスが流行している時期に、嘔吐物などで環境が汚染された場合は、アルコール消毒ではなく次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を用いた適切な消毒が必要です(当院でも新型コロナウイルスを含む感染症対策として、換気や消毒を徹底しております)。
4.嘔吐や下痢など、つらい症状が続く場合はご相談ください

感染性胃腸炎の症状(吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など)は、日常生活に大きな支障をきたします。特に激しい嘔吐を繰り返す場合は、脱水症状に注意し、経口補水液などで水分と電解質を補給することが大切です。

当院では、感染症対策を行いながら、発熱外来を含む内科診療を実施し、急な胃腸の不調に対応しています。また、胃もたれ や腹部膨満感、げっぷ など、長引くお腹の不調についても、胃カメラや大腸カメラといった精密な内視鏡検査を通じて、原因を特定し、適切な治療を提供します。
ご自身の健康を守るため、日頃の衛生管理を徹底するとともに、体調に異変を感じた際は、当院までご相談ください。
※ノロウイルス感染は、急激な下痢を伴うことが多いです。若年者でも脱水に陥る可能性がありますので、飲水も困難ば場合は点滴加療含め医療機関への速やかな受診をお願いします。