• 2026年2月4日

50代以降は「喉が渇いたら飲む」ではもう遅い?生活習慣病と「水」の重要な関係

たなか内科クリニックの院長の田中敏雄です。

今回は、生活習慣病(糖尿病や高血圧、痛風など)の予防・改善において非常に重要な「水分摂取」についてお話しします。

最近、「50代以降は『喉が渇いたら水を飲む』ではもう遅い」という話題を目にされたことはありませんか?

実はこれ、医学的にも非常に重要な視点です。当院でも生活習慣病の管理において、お薬や食事療法と同じくらい「正しい水の飲み方」を重視しています。

今日は、なぜ水分摂取が「治療」と言えるのか、そして今日からできる具体的な飲み方のコツについてお伝えいたします。


1.なぜ「喉が渇く前」なのか?

年齢を重ねると、私たちの体には変化が起きます。その一つが「喉の渇きを感じるセンサーが鈍くなる」ことです。

若い頃は体内の水分が少し減っただけで「喉が渇いた」と感じますが、50代を過ぎると、脱水状態に近づいても自覚できないことが増えてきます。

「喉が渇いた」と感じた時には、すでに体は脱水の一歩手前かもしれません。

そのため、水分補給は「欲求」に任せるのではなく、「リスク回避のための仕事(習慣)」として、意識的に行う必要があります。


2.水分不足が招く「病気のリスク」

水分が不足すると、血液が濃くなり(ドロドロになり)、様々な臓器に負担がかかります。特に以下の病気をお持ちの方、予備軍の方は注意が必要です。

糖尿病の方

水分が足りないと血液中の糖分濃度(血糖値)が相対的に高くなります。また、糖尿病の方は尿から水分が失われやすいため、気づかないうちに脱水になりやすい傾向があります。脱水を防ぐことは、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症予防に直結します。

高尿酸血症(痛風)の方

尿酸を体外へスムーズに排出するためには、十分な尿量が必要です。水分をしっかりとることで、尿酸値の上昇を抑え、あの激痛を伴う痛風発作の予防につながります。

便秘がちな方

水分不足は便を硬くし、「コロコロうんち」や便秘の悪化を招きます。腸の健康を守るためにも水分は不可欠です。


3. 今日から実践!「プラス500ml」の法則

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?

私がお勧めするのは、普段の水分摂取量に「プラス500ml」を追加することです。

一度にガブ飲みする必要はありません。以下のタイミングで「コップ1杯(約200ml)」を追加するだけで達成できます。

  1. 朝起きた時: 寝ている間は汗や呼吸で水分が失われています。朝一番の水は、ドロドロになった血液をサラサラにし、胃腸のスイッチを入れて便通を促す効果もあります。
  2. 昼食の時: 午後の活動に備えて水分を補給します。
  3. 入浴の前後: 入浴でも水分は失われます。

【注意点:何をどう飲むか】

水か麦茶で

カフェインを含むコーヒーや緑茶、アルコールには利尿作用があり、水分補給としてはカウントしにくい場合があります。また、ジュースや清涼飲料水は血糖値や尿酸値を上げてしまうため、糖尿病や痛風の方は避けましょう。

一気飲みはNG

真水を短時間に大量(1時間に1L以上など)に飲むと、体内のナトリウム濃度が急激に下がり、頭痛やめまいを起こす「水中毒」のリスクがあります。コップ1杯をこまめに飲むのが鉄則です。


医師からのメッセージ

「水分摂取はお仕事」という言葉がある通り、水を飲むことは、マイナス(病気の悪化)を防ぎ、健康を維持するための立派な治療戦略の一つです。

ご注意ください!!

心臓病(心不全)や腎臓病で水分制限の指示を受けている方は、飲みすぎると心臓や腎臓に負担をかけることがあります。必ず主治医の指示に従ってください。

また、「異常に喉が渇いて、いくら飲んでも足りない」と感じる場合は、糖尿病が悪化しているサインかもしれません。その場合は放置せず、早めに当院へご相談ください。

たなか内科クリニックでは、糖尿病や高血圧などの生活習慣病管理において、お一人おひとりのライフスタイルに合わせたアドバイスを行っております。

JR大久保駅北口すぐの当院まで、お気軽にご来院ください。

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