- 2026年9月25日
慢性便秘の原因と最新の治療薬|「出ない・お腹が張る」を我慢していませんか?

こんにちは。
明石市のJR大久保駅北口すぐ、たなか内科クリニック院長の田中敏雄です。
「3日に1回しかお通じがない」
「お腹が張って苦しい」
「いきんでもなかなかスッキリ出ない」
便秘にお悩みの日本人は非常に多く、推定で1,000万人以上が慢性便秘に該当するとされています。かつては「女性や高齢者に多いちょっとしたお悩み」として片付けられがちでしたが、近年は生活の質(QOL)への影響や腸内環境の重要性が広く知られるようになり、積極的な治療が推奨されています。
2017年には日本初の「慢性便秘症診療ガイドライン」が発表され、診断や治療の基準が大きく整理されました。さらに近年では、従来の薬とは異なる新しい作用機序の便秘治療薬が次々と登場し、選択肢が広がっています。
今回は、慢性便秘の原因や分類、そして当院でも行っている最新の治療についてわかりやすく解説します。
■ 慢性便秘の定義と原因

あなたは慢性便秘?(診断の目安)
医学的な慢性便秘症の診断では、次のような症状が過去3か月間続き、かつ6か月以上前から何らかの症状があることを目安にします。
- 排便の25%以上でいきみがある
- 排便の25%以上で硬い便(コロコロ便)が出る
- 排便の25%以上で残便感がある
- 自然排便が週3回未満 である など
慢性便秘の分類
便秘は大きく「器質性便秘」と「機能性便秘」に分けられます。
- 器質性便秘:大腸がんや炎症性腸疾患など、おなかの病気(構造的な問題)が原因で起こるもの。
- 機能性便秘:特別な病気がないにもかかわらず、便の通過が遅くなったり、うまく排出できなくなったりするもの。
また、加齢による腸の働きの低下、水分や食物繊維の不足、運動不足、ストレス、さらには血圧や痛み止めなどのお薬(薬剤性)、甲状腺機能低下症や糖尿病といった全身の病気が原因で起こる「二次性便秘」にも注意が必要です。まずは便秘の背景に隠れた重大な病気や原因がないかを見極めることが何よりも重要です。
■ 便秘治療薬の選択肢と新しいお薬

便秘の治療では、生活習慣の改善と併せて、患者様の状態に合わせた適切な薬物療法を行います。
1. 従来から使われている下剤
- 浸透圧性下剤(酸化マグネシウムなど):腸管内に水分を集めて便を軟らかくするお薬です。副作用が少なく広く使われますが、腎機能が低下している方などは注意が必要です。
- 刺激性下剤:大腸の蠕動運動を刺激して排便を促します。即効性がありますが、自己判断での長期連用は効きにくくなったりお腹が痛くなったりすることがあるため、医師の指示のもとで適切に使用することが大切です。
2. 近年登場した新しい便秘薬
近年、腸の水分分泌や自然な排動を促す新しいタイプのお薬が登場し、従来のお薬ではコントロールが難しかった便秘に対しても高い効果を発揮しています。
- 腸液の分泌を促すお薬(ルビプロストン、リナクロチドなど)
- 胆汁酸の働きを利用して便の通りを良くするお薬(エロビキシバット など)
これらのお薬は、患者様のお腹のタイプや症状に合わせて使い分けることで、より自然な排便リズムを取り戻すことができます。
■ 日常生活で心がけたい便秘改善のポイント

お薬による治療と並行して、日々の生活習慣を見直すことも大切です。
- 食物繊維をしっかりとる:野菜、海藻、豆類などを意識して摂り、便のかさや柔らかさを保ちましょう。
- 水分をこまめに補給する:1日1.5〜2Lを目安に水分をとりましょう。特に朝起きたときのコップ1杯の水は、腸の動きを目覚めさせるスイッチになります。
- 規則正しい排便習慣:毎日決まった時間(特に朝食後など)にトイレに座る習慣をつけましょう。
- 適度な運動と正しい姿勢:ウォーキングなどで体を動かすことや、トイレで足台を使って前傾姿勢をとることも排便をスムーズにします。
■ 放置は禁物!こんな症状はご相談を

「たかが便秘だから」と自己判断で市販薬を長年使い続けていたり、症状を我慢したりしていませんか?
特に以下のような変化がある場合は注意が必要です。
「急に便秘になった」「便秘と下痢を繰り返す」
「便に血が混じる(血便)」
「ダイエットをしていないのに体重が減った」
これらは大腸がんなどの器質的疾患のサインである可能性があります。
■長引く便秘は、たなか内科クリニックへご相談ください

慢性便秘は、適切な生活習慣の改善と、お一人おひとりの状態に合ったお薬の選択によって、多くの場合しっかり改善させることができます。
「市販薬を飲んでもなかなかスッキリしない」「お腹の張りがずっと続いている」という方は、ぜひ一度当院までご相談ください。大腸がんなどの心配な病気が隠れていないかをしっかりと見極めた上で、あなたに最適な治療法をご提案いたします。