• 2025年2月25日
  • 2025年2月26日

糖尿病患者が知っておくべき食事のポイント

糖尿病の食事療法は、単なるカロリー制限ではなく、血糖値を安定させ、合併症を防ぎながら健康的に生活するための重要な手段です。特に2型糖尿病は、食生活の改善によって症状をコントロールしやすい病気です。本記事では、糖尿病患者が実践すべき食事のポイントについて、具体的な方法とともに解説します。


1. 糖尿病の食事療法の基本

糖尿病の食事療法の基本は、「血糖値を安定させること」「適切なエネルギー摂取を維持すること」「栄養バランスを整えること」の3つです。食事によって血糖値が急激に上昇すると、インスリンの分泌が過剰になり、長期的に膵臓への負担が大きくなります。逆に、極端な食事制限をすると、低血糖や栄養不足のリスクが高まります。そのため、以下のポイントを意識した食事が必要です。

まず、エネルギー摂取量の適正化が重要です。過剰なカロリー摂取は肥満につながり、インスリン抵抗性を悪化させます。目安として、標準体重(身長 (m) × 身長 (m) × 22)× 25~30kcal が1日の適正エネルギー量とされています。例えば、身長165cmの人であれば、標準体重は約60kgとなり、1日1,500~1,800kcalが適正です。

また、栄養バランスを意識することも重要です。炭水化物、たんぱく質、脂質の割合は、一般的に炭水化物50~60%、たんぱく質15~20%、脂質20~25%が推奨されています。炭水化物の割合を適度に抑え、低GI(グリセミック・インデックス)の食品を選ぶことで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。


2. 血糖値を安定させる食品の選び方

糖尿病の食事で特に意識すべきなのが「血糖値の急上昇を防ぐ食品の選び方」です。血糖値の上昇速度を示すGI値が高い食品は避け、低GI食品を中心に摂取することが大切です。

GI値の低い食品(55以下)には、玄米、全粒粉パン、そば、豆類、ナッツ類、葉物野菜、海藻類などがあります。これらの食品は消化吸収が緩やかで、血糖値の上昇を抑える効果があります。一方で、GI値の高い食品(70以上) には、白米、食パン、じゃがいも、もち、砂糖を多く含む菓子類などがあり、血糖値を急激に上昇させるため、できるだけ控える必要があります。

また、食べる順番も血糖値に影響を与えます。野菜やきのこ、海藻類を最初に食べ、その後にたんぱく質(肉・魚・卵)を摂取し、最後に炭水化物(ご飯・パン)を食べる ことで、糖の吸収が穏やかになり、血糖値の急上昇を抑えることができます。

さらに、食物繊維を意識的に摂ることも血糖値のコントロールに役立ちます。水溶性食物繊維(ごぼう、海藻、納豆など)は、糖の吸収を遅らせる働きがあり、食後血糖値の急激な上昇を防ぎます。


3. 糖尿病患者におすすめの食品と避けるべき食品

糖尿病患者が積極的に摂るべき食品として、低GI食品、良質なたんぱく質、食物繊維を豊富に含む食品が挙げられます。

積極的に摂りたい食品

  • 低GI値の炭水化物:玄米、全粒粉パン、オートミール、そば
  • 良質なたんぱく質:鶏むね肉、魚(特に青魚)、豆腐、納豆、ヨーグルト
  • 食物繊維を多く含む食品:野菜、海藻、きのこ、ナッツ類
  • 血糖値を安定させる飲み物:無糖の緑茶、ブラックコーヒー、炭酸水

一方で、血糖値を急激に上昇させる食品や、糖質・飽和脂肪酸の多い食品は避ける必要があります。

避けるべき食品

  • 高GI値の炭水化物:白米、食パン、じゃがいも、もち
  • 糖質の多い食品:清涼飲料水、砂糖入りの菓子類、ジュース
  • 飽和脂肪酸が多い食品:揚げ物、ラード、加工肉(ベーコン、ソーセージ)

4. 継続できる食事療法のコツ

糖尿病の食事療法は「一時的なダイエット」ではなく、長期的に続けることが前提です。そのためには、無理なく実践できる方法を見つけることが大切です。

まず、食事日記をつけることで、自分の食習慣を振り返ることができます。何をどれだけ食べたかを記録することで、過食や栄養バランスの偏りに気付きやすくなります。

また、1週間分のメニューを事前に計画することで、外食や間食の回数を減らすことができます。食事の計画を立てることで、糖質やカロリーの管理がしやすくなり、無理なく食事療法を継続できます。

外食を避けることが難しい場合でも、定食を選び、白米の量を調整し、野菜を多めに摂るなどの工夫をすることで、血糖値のコントロールが可能です。


5. まとめ

糖尿病の食事療法は、血糖値を安定させ、合併症のリスクを減らし、健康寿命を延ばすために不可欠です。以下のポイントを意識しながら、無理なく食生活を改善しましょう。

  • エネルギー摂取量を適正に保つ(標準体重 × 25~30kcalを目安)
  • 血糖値を急上昇させない低GI食品を選ぶ
  • 食べる順番を意識する(野菜→たんぱく質→炭水化物)
  • 食物繊維を意識して摂る(海藻、きのこ、野菜、ナッツ類)
  • 長期的に続けられる食事習慣を身につける

食事療法は制限ではなく、『より健康的な生活を送るための手段』です。ストレスを溜めずに、できることから少しずつ実践していきましょう。

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