• 2025年9月19日

無糖炭酸水は本当に体にいい?専門家が解説するメリットと、飲み過ぎによる意外な落とし穴

シュワっとした爽快感で、気分までリフレッシュさせてくれる炭酸水。健康や美容への意識から、お水の代わりに無糖の炭酸水を愛飲している方も増えています。

「でも、毎日たくさん飲んでも本当に大丈夫?」
「歯や骨が溶けるって聞いたけど…」

そんな疑問の声も耳にします。明石市のたなか内科クリニックです。今回は、無糖炭酸水が私たちの体に与える良い影響と、飲み過ぎや飲み方によって生じる可能性のある意外な落とし穴についてお伝えします。


【無糖限定】炭酸水に期待できる4つのメリット

まず、砂糖や果汁を含まない「無糖・無香料」の炭酸水に期待できる、嬉しい効果を見ていきましょう。

1. 胃腸の働きをサポート

炭酸ガスが胃の粘膜を適度に刺激し、消化を助ける胃酸の分泌を促進します。また、胃腸の「ぜん動運動」も活発になるため、便秘気味の方には嬉しい効果も期待できます。

2. 血行促進でリフレッシュ

炭酸水を飲むと、血液中の二酸化炭素濃度が上がります。すると体は「酸素不足」と錯覚し、酸素を運ぶために血管を拡張させ血流を促進します。これにより、疲労物質の排出が促され、疲労回復や肩こり・冷えの改善につながると言われています。

3. 食欲コントロールとダイエット支援

食前に飲むと、炭酸ガスで胃が膨らむため満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止に役立ちます。逆に、食欲がない時には、少量を飲むことで胃が刺激され、食欲を増進させる効果も期待できます。

4. ヘルシーな代替飲料として

カロリーゼロでありながら、水よりも「飲みごたえ」があるため、糖分の多いジュースやアルコールの代替品として非常に優秀です。


飲み過ぎ注意!炭酸水のデメリットとリスク

多くのメリットがある一方、飲み過ぎたり、体質に合わなかったりすると、不快な症状を引き起こすことがあります。

胃腸への負担

ガスが胃腸に溜まることで、お腹の張り、げっぷ、おならが出やすくなります。また、腸が過剰に刺激されることで下痢を引き起こすこともあります。

特定の症状を悪化させる可能性

以下に当てはまる方は、炭酸水の摂取に特に注意が必要です。

・過敏性腸症候群(IBS)の方: ガスの刺激で、腹痛や下痢などの症状が悪化することがあります。
・逆流性食道炎の方: 胃が膨らむことで胃酸の逆流が起こりやすくなり、胸やけが悪化することがあります。
・慢性胃炎や胃潰瘍がある方: 胃酸の分泌が促されるため、胃粘膜への負担となる場合があります。


よくある疑問を解決!「骨や歯は溶ける?」「塩分でむくむ?」

Q1. 炭酸水で骨や歯は溶けますか?

A. 骨への影響はありません。

歯については、少し注意が必要です。歯のエナメル質は酸に弱く、炭酸水は弱酸性(pH5.5以下)です。しかし、唾液には酸を中和する働きがあるため、無糖の炭酸水を普通に飲む分には、歯が溶ける心配はほとんどありません。

【要注意なケース】

  • フレーバー付きの炭酸水: レモンなど柑橘系のフレーバー付きは、クエン酸によってオレンジジュース並みに酸性度が強くなっている場合があります。
  • だらだら飲み: 時間をかけてちびちび飲み続けると、お口の中が酸性の時間が長くなり、リスクが高まります。

Q2. 塩分が入っているから、むくむことはありますか?

A. その心配はほとんどありません。

一部の炭酸水にはナトリウムが含まれますが、1日に1〜2リットル飲んだとしても、厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取目標量には遠く及びません。一般的なお味噌汁1杯の塩分量よりずっと少ないため、炭酸水が原因でむくむことは、まず考えにくいでしょう。


医師が推奨する、炭酸水との上手な付き合い方

  • 摂取量の目安: 健康な成人で1日500ml〜1L程度が良いでしょう。普通のお水やお茶と組み合わせることが大切です。
  • 選び方のポイント: できるだけ「無糖」「無香料」のものを選びましょう。
  • 飲み方のコツ:
    • 胃腸への刺激を和らげるため、キンキンに冷えたものではなく「常温」で飲むのがおすすめです。
    • 歯への影響を考え、だらだらと飲み続けるのは避けましょう。
    • 大量に一気飲みすると、稀に「炭酸酔い」という、酔ったような状態になることも報告されています。車の運転前などは特に注意しましょう。

無糖炭酸水は、上手に付き合えば私たちの生活を豊かにしてくれる飲み物です。しかし、あくまで「水+炭酸ガス」であり、特別な薬効があるわけではありません。

もし、炭酸水を飲むと決まって胃腸の調子が悪くなる、胸やけが続くといったお悩みがある場合は、胃腸に何らかの不調が隠れているサインかもしれません。そのような場合は、どうぞお気軽に当院にご相談ください。

※以前には「ペットボトル症候群」と言われ炭酸含め甘い飲み物を継続して飲むことで糖尿病を発症した例が多かったです。炭酸水を飲む場合は、なるべく無糖・無香料の物をお勧めします。

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