• 2026年2月4日

【消化器内科医が推奨】血管がキレイになる「食事法」!動脈硬化を防ぐ脂質異常症対策と血管を救う食材

こんにちは。JR大久保駅北口すぐのたなか内科クリニック院長の田中敏雄です。

心筋梗塞や脳卒中など、突然死の原因となりやすい病気の根源には動脈硬化があります。そして、動脈硬化を進行させる最大の要因の一つが、血液中の脂質のバランスが崩れる脂質異常症(以前の高脂血症)です。

脂質異常症は、自覚症状がほとんどないため、「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれており、放置すると、ある日突然、心臓病や脳卒中などの恐ろしい病気を引き起こすことがあります。

今回は、当院で診療・指導を行っている生活習慣病対策の観点から、血管をキレイに保ち、動脈硬化を防ぐための具体的な「食事法」をお伝えいたします。


1.なぜ脂質異常症は血管にとって危険なのか

脂質異常症とは、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)のいずれかが基準値から外れた状態を指します。

脂質の分類役割とリスク健診の基準値(正常範囲)
LDL(悪玉)コレステロールを血管に運び、増えすぎると血管内壁に付着し動脈硬化を招く。60~119 mg/dL
HDL(善玉)体内の余分なコレステロールを肝臓に持ち帰る(回収する)。低すぎるとリスクが高まる。40mg/dL以上
中性脂肪血液を流れにくくし、血栓の原因となって動脈硬化の一因となる。30~149 mg/dL

LDLが高値、HDLが低値、または中性脂肪が高値のいずれか一つでも異常値が出た場合、「脂質異常症」と判定され、動脈硬化のリスクが高い状態です。動脈硬化に関連する心疾患や脳血管疾患は、日本の死亡原因の約3割を占めています。


2.血管を救う!食事療法の具体的なポイント

脂質異常症の主な原因は、脂肪分や糖分の多い食事、運動不足、肥満などが挙げられ、その治療と予防には食事の見直しが不可欠です。

積極的に摂りたい「血管をキレイにする食材」

  • 魚(特に青魚):EPAとDHAが豊富に含まれており、これらは血液中の中性脂肪とLDL(悪玉)コレステロールを減らし、血栓をできにくくして動脈硬化を防ぐ働きがあります。青魚などの良質なタンパク質を積極的に摂取しましょう。
  • 野菜・海藻・豆類:食物繊維が豊富で、コレステロールの吸収を抑え、血糖値の急激な上昇を抑制します。また、ビタミンC、E、β-カロテン、ポリフェノールなどの抗酸化成分は、LDLの酸化を防ぎ、動脈硬化の進行を遅らせる効果が期待できます。納豆やヨーグルトなどの発酵食品も、食物繊維と併せて腸内環境を整える効果が期待できます。
  • 良質な油(不飽和脂肪酸):オリーブオイルは、動物性の油と異なり、LDLコレステロール値だけを下げます。熱に強く、調理に向く特性もあります。ごま油もLDLコレステロール値を下げる効果が期待できますが、摂りすぎには注意が必要です。

避けるべき食品と食習慣

  • 飽和脂肪酸(動物性脂肪):肉の脂身、バター、ラード、マヨネーズなどはLDLコレステロール値を増やしてしまうため、摂取を控えましょう。
  • 高コレステロール食品:レバー、ウナギ、珍味類、魚卵などは控えめに。
  • 高糖質食品:甘いものや炭水化物の過剰摂取は中性脂肪の増加につながるため、間食や夜食は控えめに。糖尿病の食事療法でも、白米や食パンなどの高GI食品は控えることが推奨されます。
  • アルコール:特に中性脂肪が高い方は、アルコールの過剰摂取に注意が必要です。適量を心がけ、休肝日を設けましょう。
  • 減塩:高血圧予防のため、塩分摂取量を1日6g未満に抑えることが高血圧治療の基本として最も重要です。

3.当院での脂質異常症・生活習慣病へのサポート

脂質異常症は、高血圧、糖尿病、高尿酸血症(痛風)などとともに生活習慣病に含まれ、これらは全て動脈硬化のリスクを高めます。

当院(たなか内科クリニック)では、患者様の動脈硬化リスクを総合的に評価し、予防と治療をサポートしています。

定期的な健診でリスクを把握

脂質異常症は自覚症状がないため、定期的な健康診断や特定健診を受けて、自身のLDL、HDL、中性脂肪の数値を把握しておくことが何よりも大切です。当院では健康診断(健診)を実施しています。

運動・生活習慣指導

治療の基本は、食事管理と運動療法です。

  • 有酸素運動:ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を週150分以上取り入れることが推奨されます。これは内臓脂肪の減少に効果的です。
  • ストレス管理/睡眠:良質な睡眠を確保するなど、ストレス管理を行うことで、肥満や生活習慣病のリスクを低減できます。
  • 禁煙・節酒:喫煙はあらゆる生活習慣病のリスクを大幅に高めるため、禁煙は最大の予防策の一つです。

薬物療法と専門的なフォローアップ

生活習慣の改善だけでは数値が改善しない場合や、動脈硬化のリスクが高い場合は、薬物療法を検討します。

LDLが高い場合はスタチン系薬剤、中性脂肪が高い場合はEPAやDHA製剤(魚の脂)などが用いられます。

注意点として、インターネット上には治療不要論などの情報もありますが、脳梗塞を発症し麻痺などの後遺症が起こってからでは遅いため、ネットの情報のみでの判断は危険です。当院では、動脈硬化のリスク評価に基づき、適切な薬物療法をご提案します。

動脈硬化を防ぎ、健康寿命を延ばすために、まずはご自身の健康診断の結果を確認し、食生活を見直すこと(特に魚や野菜、海藻を増やすこと)から始めてみませんか。健康上の不安や検査のご希望があれば、どうぞお気軽に当院にご相談ください。

※脂質異常症は非常に多い病気の一つとなります。悪玉コレステロール(LDL)が高い場合、年齢・背景(生活環境や仕事の状況)・家族歴・他の病気の有無等、総合的に判断し経過観察とするか早めに内服治療を開始するか決定しています。

健診で指摘されたが放置している方等も、一度は受診をお勧めします。

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