• 2026年2月4日

【帯状疱疹】怖いのは「痛み」の後遺症。家族にうつる?ワクチンは?医師が疑問に答えます。

たなか内科クリニック院長の田中敏雄です。

皆さんは「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

「赤い発疹が出る病気」と思われることが多いですが、この病気の本当の怖さは、皮膚が治った後も「焼けるような痛み」が何年も続いてしまう後遺症にあります。

今回は、帯状疱疹の原因や後遺症(PHN)、そして「家族にうつるのか?」といったよくある疑問について、最新の知見を交えてお伝えいたします。


1.原因は「体内のウイルス」。でも、他人にうつることも?

帯状疱疹の原因は、子供の頃にかかった「水ぼうそう」と同じウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)です。

このウイルスは、水ぼうそうが治った後も体内の神経の根元に何十年も潜んでいます。

Q. 家族や他人にうつりますか?

ここが誤解されやすいポイントです。

  • 大人の場合: 日本人の成人の90%以上はすでに抗体を持っているため、帯状疱疹の人から大人へ「帯状疱疹」がうつることは基本的にありません。
  • 注意が必要な相手: 「水ぼうそうにかかったことがない人(赤ちゃんや子供)」には注意が必要です。水ぶくれの中にはウイルスが含まれており、接触することで「水ぼうそう」として発症させてしまう可能性があります。
  • 妊婦さん: 妊娠中に感染すると重症化しやすく胎児への影響も懸念されるため、接触は避ける必要があります。

2.50代から急増。免疫低下が引き金に

普段はおとなしくしているウイルスが、なぜ突然暴れだすのでしょうか?

最大の理由は「免疫力の低下」です。

免疫力は加齢とともに低下するため、50歳を超えたあたりから発症率が急増し、80歳までに約半数の方が発症すると言われています。

また、過労やストレス、病気などで免疫が落ちている時は、若い方でも発症リスクがあります。


3.最も恐ろしい後遺症「PHN(帯状疱疹後神経痛)」とは

帯状疱疹の最大の特徴は、ピリピリ、チクチクとした痛みです。

通常、皮膚の症状は2週間程度で治りますが、皮膚が治った後も3ヶ月以上にわたって強い痛みが続くことがあります。

これを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。

  • どんな痛み? 「刺されたような痛み」「ヒリヒリ焼けるような痛み」と表現されることが多く、夜も眠れないほどの激痛になることもあります。
  • なぜ残る? ウイルスによって神経そのものが傷つけられてしまうためです。一度慢性化してしまうと、治療が難しくなります。

4.後遺症を防ぐ「黄金ルール」

この辛い後遺症(PHN)を残さないためには、どうすればよいのでしょうか?

重要なのは、以下の2点です。

「72時間以内」に抗ウイルス薬を飲む

ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」は、発疹が出てからできるだけ早く(一般に72時間以内)飲み始めることで効果を発揮します。

痛みを我慢せず、徹底的に抑える

「痛み止めを飲むのは体に悪い」と我慢するのは逆効果です。

痛みが強い状態が続くと神経が興奮し、さらに痛みが記憶されやすくなってしまいます(慢性化)。

発症初期から薬を使ってしっかりと痛みをコントロールすることが、後遺症のリスクを下げることにつながります。


5. 転ばぬ先の杖「ワクチン」と助成制度

帯状疱疹の発症そのものを防ぐには、ワクチン接種が非常に有効です。

2025年4月からは65歳以上の方が定期接種の対象となりますが、当院では現在も50歳以上の方を対象に接種を行っています。

シングリックス(不活化ワクチン)水痘ワクチン(生ワクチン)
特徴予防効果が高い(90%以上)

効果が長期間持続する。

免疫不全の方も接種可能。
1回で済み安価。

予防効果は約50%程度。

効果持続期間は約5年。
接種回数2回(2ヶ月間隔)1回
当院価格22,000円 / 回8,920円 / 回
明石市助成

(50歳以上)
4,000円助成

(実質負担は軽減されます)
4,000円助成

(実質: 4,920円)

※明石市の現在の助成制度は「50歳以上の方に、種類に関わらず1回限り4,000円」です。


医師からのメッセージ

帯状疱疹は、「皮膚の病気」であると同時に「神経の病気」でもあります。

「体の片側がピリピリ痛む」「赤い発疹が出た」

そんな時は、決して様子を見ずに、すぐに当院へご相談ください。

早期発見・早期治療こそが、あなたを激痛から守る唯一の方法です。

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