• 2026年2月4日

【最新発表】「がん5年生存率」の衝撃。治りやすいがん・手強いがん、その決定的な差とは?

たなか内科クリニックの院長の田中敏雄です。

先日(1月14日)、厚生労働省から非常に重要なデータが公表されました。

【全国がん登録 5年生存率報告

全国のがん患者データを集計した「5年生存率」についてです。

「がん」と聞くと、どうしても恐怖を感じてしまう方が多いと思います。

しかし、今回のデータからは「治りやすいがん」と「見つけにくく手強いがん」の差が明確に浮き彫りになりました。

今回は、この最新データを紐解きながら、私たちが「今、何をするべきか」について、お伝えいたします。


1.【最新データ】がん5年生存率の「大きな格差」

今回公表されたのは、2016年にがんと診断された方のデータに基づいた5年生存率です。

これを見ると、がんの発生部位によって、生存率に驚くほどの開きがあることが分かります。

生存率が高いがん(90%前後)】

早期発見や治療法の確立が進んでいるがんです。

  • 前立腺: 92.1%
  • 甲状腺: 91.9%
  • 皮膚: 91.1%
  • 乳房: 88.0%

【消化器系のがん(60〜70%前後)

日本人がなりやすい「胃がん」や「大腸がん」はこのあたりに位置します。

  • 大腸(結腸・直腸): 約68%
  • 胃: 64.0%
  • 食道: 46.5%

【早期発見が難しいがん(40%未満)

症状が出にくく、見つかった時には進行していることが多い「難治がん」です。

  • 肝臓: 33.4%
  • 胆のう・胆管: 23.0%
  • 膵臓(すいぞう): 11.8%

2.「2人に1人」ががんになる時代。数字をどう読むか?

最新の統計では、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性で63.3%(約2人に1人)、女性で50.8%(2人に1人)となっています。

もはや、がんは特別な病気ではありません。

ここで注目していただきたいのは、「胃がん」と「大腸がん」です。

これらは罹患数(なる人の数)では常に上位に入りますが、生存率は60%台です。

「6割しか助からないのか…」と思われたかもしれません。

しかし、これは「進行してから見つかった人も含めた平均値」であることに注意が必要です。

実は、胃がんも大腸がんも、早期(ステージ1)で見つかれば、5年生存率は90〜99%近くまで跳ね上がります。

つまり、これらのがんは「早く見つけさえすれば、怖くない病気」と言えるのです。


3.一方で、もっと注意が必要な「膵臓・胆のう」

一方で、今回のデータで最も厳しい数字が出たのが「膵臓(11.8%)」や「胆のう・胆管(23.0%)」です。

これらはお腹の奥深くにあり、初期症状がほとんどないため、一般的な検診では見逃されがちです。

だからこそ、定期的な「腹部エコー検査(超音波検査)」や血液検査などが重要になります。

「なんとなくお腹の調子が悪い」「背中が痛い」といった些細なサインを見逃さないことが、命を守ることに繋がります。


医師からのメッセージ

今回のニュースを見て、「怖い」だけで終わらせないでください。

このデータが教えてくれる教訓はシンプルです。

1.胃・大腸などの「見つけやすいがん」は、内視鏡検査で確実に早期発見する。

2.膵臓・胆のうなどの「見えにくいがん」は、定期的なエコー検査などでリスク管理をする。

当院では、苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラはもちろん、腹部エコー検査にも力を入れています。

「生存率」という数字は、あくまで統計です。あなた自身の未来の確率は、今の行動(検診)で100%に近づけることができます。

40歳を過ぎたら、ぜひ一度、自分の体の中をチェックしに来てください。

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