- 2026年4月2日
著名人の訃報から学ぶ「胃がん」の真実。見逃してはいけない初期症状と早期発見の重要性

こんにちは。
明石市JR大久保駅北側すぐのたなか内科クリニックです。
先日、元国家公安委員長の方が胃がんのため75歳でお亡くなりになったというニュースが報じられました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
日本において、胃がんは大腸がん・肺がんに次いで死亡数が多い非常に身近な病気です。「自分の胃は大丈夫だろうか」と不安に思われた方も多いかもしれません。今回は、皆さまの命を守るために知っておいていただきたい「胃がんの症状のメカニズム」と「早期発見のポイント」について、さらに一歩踏み込んで詳しく解説いたします。
■なぜ早期の胃がんには「初期症状」がないのか?

胃がんの早期発見を難しくしている最大の要因は、「早期段階では自覚症状がほとんどない」という点です。
胃は食べ物をたくさん溜め込めるように、風船のように大きく膨らむ柔軟な臓器です。そのため、がんが多少大きくなっても食べ物の通り道が塞がれにくく、また胃の内側の粘膜には痛みを感じる神経が少ないため、初期の段階では痛みなどのSOSサインが出にくいのです。
■見逃してはいけない胃からのSOSサイン

症状が出にくい胃がんですが、病状が進行したり、胃炎や胃潰瘍を併発したりすると、体から以下のようなサインが現れます。少しでも当てはまる場合は注意が必要です。
みぞおちの痛みや胃もたれ
胃の動きが悪くなり、消化に時間がかかることで生じます。ここで絶対に注意していただきたいのが「安易に市販の痛み止めを飲まない」ということです。ロキソニンなどの鎮痛薬(NSAIDs)は胃の粘膜を荒らす副作用があるため、かえって胃潰瘍や出血を悪化させる危険性があります。
原因不明の体重減少
ダイエットをしているわけでもないのに体重が減っていく場合は要注意です。ひとつの目安として、「1ヶ月に1kg以上の体重減少が3ヶ月以上続く」場合は、何らかの疾患が隠れている可能性が高いため、早急な受診をおすすめします。
黒色便(タール便)や貧血
胃がんの組織はもろく、出血しやすい特徴があります。胃から出血した血液は、胃酸と混ざって酸化し、腸を通る間に鉄分が黒く変色するため、便が「海苔のように真っ黒」になります。また、このじわじわとした慢性的な出血によって鉄分が不足し、めまいや息切れといった貧血症状が引き起こされます。
■胃がんの最大のリスク「ピロリ菌」

胃がんの発症リスクを圧倒的に高めるのが「ピロリ菌」の感染です。
ピロリ菌は胃の粘膜に棲みつき、長年にわたって慢性的な炎症(萎縮性胃炎)を引き起こします。この炎症が続くことが、胃がん発生の大きな引き金となります。感染が確認された場合は、お薬を飲んで「除菌治療」を行うことで、将来の胃がんリスクを大幅に下げることができます。
■命を守るために胃カメラ検査をオススメします

胃がんは40歳を超えたあたりから発症する人が徐々に増えていき、特に70〜80代の男性に多く見られます。しかし、決して若い方や女性にとっても他人事ではありません。
症状が出てからでは進行しているケースが多いため、「症状がないうちに検査を受ける」ことこそが命を救う最大のカギです。
| ・20歳以上の方:健診などでピロリ菌の検査(抗体検査など)を一度受けてみましょう。 ・40歳以上の方、または胃の不調がある方:自覚症状が軽くても「胃カメラ検査」を受けましょう。 |
「胃カメラは苦しいから嫌だ」と敬遠されている方もご安心ください。当クリニックでは、鎮静剤を用いてウトウトと眠っている間に終わる検査や、吐き気の少ない鼻からの内視鏡(経鼻内視鏡)をご用意しており、苦痛を最小限に抑える工夫をしています。
異常がないことを確認するだけでも、毎日の安心感は大きく変わります。「ちょっと胃の検査を受けてみようかな」という気軽な気持ちで、ぜひ一度当院へご相談ください。