• 2026年9月25日

「鮮血だから痔だと思った」〜32歳で大腸がんステージIVを告げられた女性の闘病と、心を守る工夫〜

こんにちは。

明石市のJR大久保駅北口すぐ、たなか内科クリニック院長の田中敏雄です。

先日、ニュースやYouTubeなどで30代で大腸がんステージIVの告知を受けた「寝り子」さんのインタビュー記事を目にする機会がありました。

彼女は、闘病中のリアルな姿や抗がん剤の副作用と向き合いながら、飾らずに前向きに生きる姿を発信し、多くの方に勇気を与えています。

この記事の中で、彼女が語っていた「発見が遅れてしまった後悔」「食事や心(メンタル)の葛藤」、そして「早期発見の大切さ」は、日々多くの患者様と向き合う内科医としても、非常に胸に刺さる内容でした。今回は、その内容を交えながら、大腸がんの早期発見と心身のケアについてお話ししたいと思います。

■ 「鮮血だから痔だと思っていた」〜見過ごされやすい大腸がんのサイン〜

寝り子さんは、がんが見つかる半年前から出血などの異変に気づいていたものの、「若いから大丈夫」「血が赤いから痔だろう」と思い込み、仕事や遊びを優先して病院受診が遅れてしまったと振り返っています。

大腸がん(特に直腸がん)の場合、初期には「真っ赤な鮮血」が出ることがあります。「黒い便でなければ大丈夫」と自己判断してしまいがちですが、血便がある場合は痔だけでなく大腸からの出血の可能性も十分にあります。

また、彼女は診断された時点ですでに肺やリンパ節への転移があるステージIVでした。「もう少し早く検査を受けていれば……」という言葉は、医療現場に身を置く者としても非常に重く、心に響きます。

■ 病気だけでなく「心」をも追い詰めてしまう葛藤

がんの告知を受け、抗がん剤治療が始まると、体だけでなく心まで深く追い詰められてしまったという寝り子さん。

「糖分や添加物ががんに良くないのではないか」と食事をとるのが怖くなり、治療が始まる前に激やせしてしまったことや、電車の閉鎖的な空間で突然呼吸ができなくなる「パニック障害」を経験したことも赤裸々に語られています。

大きな病気に直面したとき、患者様が深い不安や恐怖、メンタルの不調を感じることは決して珍しくありません。一人で抱え込み、すべてを我慢しようとすると、かえって心身をすり減らしてしまう原因になります。

そんな彼女の大きな支えになったのが、「夜中に3分間だけお笑い動画を見る」という習慣でした。

「今日1日は何も楽しいことがなかったと思っても、3〜4分だけでも病気を忘れて、楽しいことを1回してから寝よう」と、意識的に自分の機嫌を取り、心を守る時間を作ったそうです。

■ 早期発見のために、そして自分らしく生きるために

現在、寝り子さんは過度な我慢をやめ、大好きなラーメンやコーヒーも楽しみつつ、「もし1か月後に死ぬとしても、美味しいものを食べて死にたい」と前を向いて生活されています。

このエッセイから私たちが学べるのは、「異変を放置しないこと」、そして「一人で抱え込まず、適切な医療と向き合いながら、心と体のバランスを大切にすること」の重要性です。

便通の異常(急な便秘や下痢)や血便がある
気になる症状が続いている

こうしたサインがあったとき、「まだ若いから」「忙しいから」と見過ごさず、勇気を持って消化器内科を受診していただくことが、何よりの命を守る手段となります。

■ おわりに:不安なときはいつでもご相談ください

大腸がんは、早期に見つけて適切な治療を行えば、高い確率で治癒が望める病気です。また、検査を受けることや、おなかの症状について相談することは、ご自身の健康と未来を守るための第一歩です。

当院では、胃カメラや大腸カメラをはじめ、患者様が抱えるおなかの不安や疑問にしっかりと寄り添い、丁寧な診療を行っております。「少し気になることがある」「検査を受けるのが少し怖い」という方も、どうぞ我慢なさらずにお気軽に当院までご相談ください。

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