- 2025年12月2日
【要注意】ノロウイルス流行期!東京都が注意喚起—「感染性胃腸炎」を予防する3つの重要ポイント

こんにちは。JR大久保駅北口すぐのたなか内科クリニックです。
冬季に入り、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎の流行が懸念されています。東京都は2025年11月21日、感染性胃腸炎について注意喚起を発出しました。
都内では警報レベル(定点あたり20人)には達していないものの、報告数が例年これから増加する傾向にあり(第46週で定点あたり5.41人)、保育所や幼稚園などで集団感染事例がすでに報告されています。感染力が非常に強いノロウイルスによる胃腸炎は、ご家庭内でもあっという間に広がるリスクがあります。
今回は、感染性胃腸炎の基礎知識と、感染を防ぐために今すぐ実践すべき対策をお伝えします。
1.感染性胃腸炎とは?

感染性胃腸炎は、主にノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなどのウイルスや細菌が原因となって起こる胃腸炎の総称です。
主な症状
腹痛・下痢、嘔吐、発熱などが挙げられます。
ノロウイルスの場合、激しい嘔吐や下痢、腹痛、倦怠感が生じますが、通常は1〜2日で回復します。
医師への受診目安
症状のある期間は比較的短いことが多いですが、特に以下の症状がある場合は、重症化(脱水)リスクがあるため、我慢せずにご来院ください。
- 嘔吐が続いて水分が全く摂れない
- おしっこの回数や量が明らかに減った
- ぐったりして元気がない
- 激しい腹痛や血便が続く
当院は発熱外来を設けており、感染性胃腸炎による脱水症状に対して点滴治療を行うことも可能です。
2. 感染予防の重要ポイント

ノロウイルスなどの感染性胃腸炎の原因となるウイルスは、アルコール消毒の効果が乏しいことが大きな特徴です。そのため、予防の基本は物理的にウイルスを洗い流すことです。
① こまめな「手洗い」を徹底する
予防の基本中の基本は手洗いです。
- 石けんと流水で30秒以上かけて、指の間、爪の中、手首まで丁寧に洗いましょう。
- 食事前、トイレ後、調理前には必ず手洗いを徹底してください。
② 二枚貝は「十分な加熱」でウイルスを不活化
ノロウイルスは汚染された二枚貝(カキやアサリなど)を介して感染することがあります。
- 二枚貝を調理する際は、85〜90℃で90秒以上中心部まで加熱することが重要です。
- 生食は極力避け、しっかり火を通しましょう。
③ 吐物や便の「適切な処理」と「消毒」
家庭や施設で感染者が出た場合、吐物やふん便の処理が不十分だと、ウイルスが飛散し、二次感染が広がります。
- 処理の際は、使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は直ちに手洗いをしてください。
- 消毒には、アルコールではなく次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使用し、ドアノブやトイレの便座などの接触部分も拭き取りましょう。
3.その他の消化器トラブルと内視鏡検査

感染性胃腸炎のように急性の下痢や嘔吐は一時的なものが多いですが、慢性的なお腹の不調や、嘔吐・下痢以外の症状がある場合は、他の疾患が隠れている可能性があります。
- 慢性的な下痢・腹痛: 3週間以上症状が続く慢性下痢の場合、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患や、過敏性腸症候群(IBS)が関わっている可能性があります。ご高齢の方では大腸がんが原因で下痢が続く場合もあります。
- 吐き気・胃痛: 慢性的な吐き気や胃痛は、逆流性食道炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシア、さらには胃がんや膵臓がんなどの重篤な病気が原因である可能性も考えられます。
これらの消化器系の病変の診断には、当院で実施している胃カメラ検査や大腸カメラ検査が非常に有効です。特に40歳以上で胃の症状がある方や、長期間胃炎を指摘されている方は、ピロリ菌検査も含めて胃カメラを受けることをお勧めします。
体調が悪いと感じたら、年末年始を待たずに早めに内科・消化器内科にご相談ください。当院はJR大久保駅北口すぐの場所にあり、皆様の健康をサポートできるよう努めて参ります。