• 2025年12月2日

「便潜血陽性」だけでは不十分?50歳を超えたら大腸内視鏡検査で命を守る!

こんにちは、たなか内科クリニックです。私たちは、内科・消化器内科として、地域の皆様の健康をサポートしています。

日本人にとって、がんは非常に身近な病気であり、大腸がんは現在、女性の死亡者数で第1位、罹患数でも乳がんに次いで2位となっています。食生活の欧米化などにより患者数は年々増加しており、特に50代から増加するのが特徴です。

しかし、大腸がんは早期に発見すれば高い確率で治癒できるがんであるため、いかに早期に発見するかが鍵となります。

今回は、大腸がんの早期発見における内視鏡検査の重要性についてお伝えします。


1.便潜血検査の限界:見逃しのリスクとは?

大腸がんの検査には、主に「便潜血検査」と「内視鏡検査」の2種類があります。健康診断などで広く行われる便潜血検査は手軽ですが、その精度には限界があることをご存知でしょうか。

便潜血検査は、大腸内のがんやポリープからの出血を見つけるものであり、病変そのものの有無を確認するものではありません。そのため、出血がない場合、検査をすり抜けてしまう可能性があります。

  • 大腸がんの発見率: 1回の便潜血検査で大腸がんを発見できる可能性は3〜5割ほどにとどまります。
  • ポリープの発見率: ポリープの発見に関しては、わずか1〜2割です。

たとえ毎年検査を受けていても、便潜血検査だけで見逃される可能性は否めません。

【要警戒!】便潜血検査で「陽性」が出たら?

便潜血検査で陽性と診断された場合、消化管のどこかで出血が起きているサインです。この場合は、症状がなくても必ず大腸内視鏡検査(精密検査)を受けてください。


2.大腸内視鏡検査は「最高の予防」

内視鏡検査の精度は、便潜血検査と比べて格段に高いです。
大腸は筒状で内部が空洞なため、カメラを入れて直接、内部の様子を観察することができます。これにより、自覚症状がまったくない小さながんやポリープを発見できます。

さらに、大腸内視鏡検査の最大のメリットは、検査と同時に治療が可能なことです。

大腸がんは、多くの場合、良性の大腸ポリープが徐々に悪性化してがん化すると言われています。

内視鏡検査でポリープを発見し、小さいものならその場で切除して治療を終えることができます。

これは、将来のがんの発生を防ぐ「がんの芽を摘み取った」ことになり、これ以上ない予防法となります。

実際に、米国では大腸ポリープをすべて切除したことで、大腸がん患者数が9割近く減少したという臨床報告もあります。


3.「痛そう」「怖い」を解消!進化した検査技術

「大腸カメラは苦しい」「恥ずかしい」といった不安から検査を敬遠される方も多くいらっしゃいます。しかし、ここ十数年で内視鏡技術は大きく進化しています。

  • 負担軽減(鎮静剤): 当院でも、患者様のご希望に応じて鎮静剤(静脈麻酔)を使用し、ウトウトと眠っているような状態で検査を終えていただけるようにしています。鎮静剤の使用は、患者様の苦痛を軽減するだけでなく、検査中の動きを抑えることで、より丁寧で正確な検査(精度向上)につながります。
  • 最新の診断技術: 特殊な光を当てることで、肉眼では捉えにくい粘膜の小さな異常を浮かび上がらせることが可能になりました。また、AIを搭載した内視鏡も登場し、見逃しが激減すると期待されています。
  • 同日検査も可能: 胃や腸の調子が両方気になる方のために、胃カメラと大腸カメラを同日に受ける「同日検査」にも対応しており、来院回数や体力的な負担を軽減できます。

4. 定期検査の推奨と日常のチェックポイント

大腸がんは50代から患者数が増えるのが特徴です。そのため、自覚症状がなくても、50歳を超えたら一度は大腸内視鏡検査を受けることを強く推奨します。

日常で気をつけてほしい「便の異変」

早期がんは無症状で進行しますが、日頃からトイレで便を観察する癖をつけましょう。便は、体の中の状態を示す大切な情報です。

以下の異変を感じたら、すぐに消化器内科を受診してください。

  • 血が混じっている
  • 便が細くなっている(がんやポリープができると大腸内が狭くなるため、便が細くなりがちです)

検査で異常がなければ、次の検査は3〜5年後でよいとされています。もしポリープが見つかった場合も、切除後の定期的な再検査でしっかりと経過を見守ることが重要です。

明石市・大久保駅すぐ たなか内科クリニックへご相談ください

当クリニック(たなか内科クリニック)は、内科、消化器内科、胃カメラ、大腸カメラの専門クリニックです。院長は24年以上にわたり消化器内科分野で地域医療に貢献しており、専門性の高い的確な診断と治療(大腸EMR・ESDなど)を提供しています。

検査への不安がある方も、最新の設備と鎮静剤の使用により、「苦しくない」内視鏡検査を目指しています。

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