- 2025年12月2日
【大腸カメラ、不安なあなたへ】大腸カメラ検査、受ける前に知っておくべき5つの対策

「大腸カメラって、なんだか大変そう…」
「痛いって聞くし、恥ずかしい…」
大腸カメラ検査と聞くと、このように不安を感じる方は少なくありません。しかし、大切なことをご存知でしょうか。今や大腸がんは、日本人のがんの中で最もかかりやすいがんの一つです。でも、希望もあります。大腸がんは、早期に発見し、適切な治療を行えば約99%が完治すると言われているのです。
その早期発見に不可欠なのが「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」です。
「検査前の食事制限が面倒そう…」
「下剤を飲むのがつらいって本当?」
「お腹の中をカメラが動くなんて、想像するだけで怖い…」
この記事では、そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、検査を受ける前に知っておきたい「5つの事前知識と対策」を分かりやすく解説します。意識調査でも多くの方が不安に感じる「下剤の面倒さ」や「検査中の漏れ」、「検査の流れが分からなくて怖い」といった点にもしっかりお答えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 【これさえ押さえればOK!】大腸カメラ検査 5つの事前知識&対策
1-1. 前日の食事は「低脂肪・低繊維」を意識しよう!

大腸カメラ検査で最も重要なのが、腸の中を空っぽにして、きれいな状態にすることです。なぜなら、腸の中に便が残っていると、小さなポリープなどを見逃してしまう可能性があるからです。便がスムーズに出るかどうかは個人差があり、特に前日の食事内容が大きく影響します。消化に時間がかかるものを食べると、腸内に残りやすくなってしまいます。
【検査前日に避けるべき食事】
- 肉や揚げ物など脂っこいもの
- きのこ、海藻、こんにゃくなど食物繊維の多い野菜や果物
- 玄米、雑穀米など
【検査前日におすすめの食事】

- 白米、おかゆ、素うどん、そうめん
- 豆腐、卵
- 皮をむいたじゃがいも
- バナナ、リンゴジュース
- ヨーグルト(無糖・プレーンのもの)
検査用の「検査食セット」なども市販されていますので、食事の準備が負担な方は活用するのも良いでしょう。
食事は検査前日の午後8時ごろまでに済ませてください。その後は固形物を食べないようにしましょう。お水やお茶などの水分は、検査の4時間前までは飲んでいただいて大丈夫です。
1-2. 腸管洗浄剤(下剤)は「自分に合ったタイプ」を相談しよう!

「下剤を2リットルも飲むのがつらい」「何度もトイレに行くのが面倒…」という声は、検査を経験した方からよく聞かれます。しかし、最近の腸管洗浄剤(下剤)は、患者さんの負担を減らすために様々な改良が加えられています。
洗浄力や飲む量、味などが異なる様々なタイプがあり、ご自身に合ったものを選ぶことができます。
- 液体タイプ: 最も主流なタイプです。ご自宅で水に溶かして服用します。
- 錠剤タイプや濃縮タイプ: 大量の水分を一度に飲むのが苦手な方のために、錠剤や少量の液体で済むタイプも登場しています。
ただし、下剤には塩分が含まれていたり、腎機能が低下している方には不向きな種類もあります。ご自身の体調や、高血圧、腎臓病などの持病がある方は、必ず事前に医師に伝え、どの下剤が適しているか相談しましょう。当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせて最適な下剤をご提案しますので、ご安心ください。
1-3. 下剤の服用は「自分に合った場所」を選ぼう!
下剤を飲む場所は、大きく分けて「ご自宅」と「クリニックなどの医療機関」の2つから選べます。
【ご自宅での服用】
- メリット: なんといっても、リラックスできる環境で、自分専用のトイレを使える安心感があります。
- 対策: クリニックまでの移動中に便意が心配な方は、大人用の紙パンツや大きめの生理用ナプキンなどを着用しておくと、万が一の時も安心です。
【医療機関での服用】
- メリット: 不安なことや体調の変化があれば、すぐに医師や看護師に相談できます。
- こんな方におすすめ: 過去に下剤で腹痛や吐き気を起こしたことがある方、脱水症状が心配な方、治療中の病気がある方は、医療機関での服用を検討すると良いでしょう。
ご自身の性格や体調に合わせて、より安心できる場所を選びましょう。
1-4. 「尿漏れ・便漏れ」の心配はほとんどなし!
「検査中に、もし便や尿が漏れてしまったら…」これは、多くの方が抱える非常に大きな不安の一つです。しかし、結論から言うと、その心配はほとんどありません。
なぜなら、大腸カメラの先端には、腸内を洗浄する機能と、液体を吸い込む「吸引口」がついているからです。検査中は、腸内にわずかに残った便や水分を、この吸引口できれいに吸引しながら観察を進めていきます。そのため、便が外に漏れ出すことはまずありません。
また、尿についても、下剤を服用する段階で便と一緒にほとんど排出されています。そのため、検査中に尿意を感じたり、漏れてしまったりするケースもほぼありませんので、どうぞご安心ください。
1-5. 検査の「具体的な流れ」を知っておこう!
何が行われるか分からないままでは、不安はますます大きくなってしまいます。ここで、検査の具体的な流れを知っておきましょう。
1.前処置
検査当日はご自宅にて朝から腸内をきれいにするための下剤を服用していただきます、通常は5-10回程度排便いただき、検査時間に来院してください。
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2.受付・問診
受付後、問診票の記入や体調の確認を行います。リラックスして検査を受けていただけるよう、準備を整えてお待ちしております。
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3.検査開始
鎮静剤を希望される方には投与し、内視鏡を肛門から挿入して直腸、大腸全体を観察します。検査時間は通常15〜30分程度です。
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4.終了後、検査結果の説明
検査終了後は、医師から検査結果についての説明を行います。必要に応じて治療方針もご提案いたします。病理検査を行った場合の結果については後日の説明となります。また鎮静剤使用後の状態次第では後日の結果説明を勧める場合もあります。
検査中の注意点
は、腸の曲がり角をスムーズに通過させるために、「右を向いてください」「仰向けになりましょう」など、看護師が体の向きを変えるようにお願いすることがあります。また、おなら(ガス)が出そうになることがありますが、我慢した方が良い場合と、出した方が楽になる場合がありますので、その都度スタッフがお声がけします。遠慮せずにお伝えください。
検査後の注意点
検査後は、鎮静剤を使用した場合は一定時間の安静が必要です。当日はお車の運転を避け、できるだけ付き添いの方とご来院ください。また、検査後の食事は医師の指示に従い、消化の良いものをお召し上がりいただくようお願いします。
2.より快適な検査のために:大腸カメラ検査で重視すべき3つのポイント
検査時の苦痛や不安を軽減するために、クリニック選びや事前の確認で重視していただきたいポイントを解説します。
2-1. 鎮静剤(静脈麻酔)を使用して、リラックスした状態で受ける
検査時の苦痛を軽減する方法として、鎮静剤(静脈麻酔)の使用が挙げられます。鎮静剤を使用することで、うとうとと眠っているようなリラックスした状態で検査を受けることが可能です。 検査中の緊張が和らぐことで、痛みや不快感を感じにくくなるだけでなく、検査に伴うお腹の張りや違和感の軽減にもつながるとされています。苦痛の少ない検査をご希望の場合は、鎮静剤の使用が可能かどうかが重要な選択基準となります。
2-2. 負担の少ない「細い内視鏡」での検査を選択する

腸の形状や骨盤の広さには個人差があり、特に女性や腹部手術歴のある方は、腸が複雑に屈曲している場合があるため、通常の太さの内視鏡では挿入時に痛みが生じやすい傾向にあります。 近年では医療技術の進歩により、外径約11mm程度の細くしなやかな内視鏡が登場しています。細い内視鏡は腸壁への負担が少なく、スムーズな挿入が可能なため、検査に伴う苦痛の大幅な軽減が期待できます。 痛みに不安がある場合は、こうした細径の内視鏡スコープを導入している医療機関を選ぶことも一つの方法です。
2-3. 検査中の処置や流れについて、事前に十分な説明を受ける
大腸カメラ検査では、内視鏡の通過をスムーズにするために、検査中に体の向きを変えたり(体位変換)、医師や看護師がお腹を軽く圧迫したりする手技(用手圧迫)を行うことが一般的です。 こうした処置が必要になることを事前に知っておくことで、検査中の不安を和らげ、落ち着いて検査を受けていただくことができます。 当院では、検査前に具体的な流れや処置について丁寧にご説明し、検査中も細めにお声がけを行うことで、患者様が安心して検査に臨める体制を整えています。
まとめ:不安は知識で解消!安心して大腸カメラ検査へ

大腸カメラ検査は、多くの方が不安や心配を感じるものです。しかし、その不安の多くは、「何が起こるか分からない」ことから来ています。
今回ご紹介したように、
- ご自身でできる対策(食事の工夫、下剤の相談)
- 医療機関に求めること(鎮静剤の使用、細い内視鏡、丁寧な事前説明)

この両面からアプローチすることで、不安は大きく解消できるはずです。
たなか内科クリニックでは、患者さんの不安に徹底的に寄り添い、できるだけ苦痛の少ない検査を心がけています。わからないこと、不安なことは、どんな些細なことでも遠慮なく医師や看護師にご相談ください。
この記事で、あなたの不安が少しでも軽くなり、前向きな気持ちで検査に臨めるようになれば幸いです。安心して検査当日を迎えましょう。