- 2025年10月16日
そのお腹の痛み、吐き気、下痢症状…もしかして?体のSOSを見逃さないで
気になるその症状、放置していませんか?

「なんだかお腹が痛い」
「ムカムカして吐き気がする」
「下痢が止まらない…」
誰もが一度は経験するこれらの症状。一過性のものと自己判断してしまいがちですが、実は体からの大切なSOSかもしれません。放置することで、知らず知らずのうちに病気が進行してしまうケースも少なくありません。
私たち医師は、皆さんの「お腹の痛み」「吐き気」「下痢症状」が、どこからきているのか、どんな病気の可能性があるのかを多角的に診察し、適切な検査を通じて診断へと導きます。
今回は、あなたの気になる症状がどの病気を示唆しているのか、それぞれの特徴をお伝えします。もしかしたら、早期発見・早期治療のチャンスを逃しているかもしれません。ぜひ、ご自身の症状と照らし合わせながら読み進めてください。
1. 「お腹の痛み」:場所と特徴で探る病気のサイン
お腹の痛みは、その場所や痛みの種類によって疑われる病気が大きく異なります。あなたの痛みがどのタイプに近いか、まずはチェックしてみましょう。
みぞおちあたりの焼けるような痛み、熱を持った感じ

- 機能性ディスペプシア:内視鏡検査では異常が見つからないことが多い「機能性」の病気ですが、ストレスや不眠が強く関与していると考えられます。
みぞおちのキューっとなる差し込むような痛み
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍を疑います。
- 激しい痛みや、タール便(黒いドロドロの便)、吐血がある場合は、貧血を伴い救急搬送が必要な緊急事態です。解熱鎮痛剤やピロリ菌が原因となることがあります。
みぞおちと背中に持続する激しい痛み
- 急性膵炎:通常の鎮痛剤では治まらないほどの激痛で、重症化すると命に関わります。胆石や過度のアルコール摂取が主な原因です。
あばら骨の右下、冷や汗が出て呼吸も苦しくなるような痛み

- 胆石発作、胆嚢炎、胆管炎を疑います。
- 発熱を伴う場合は細菌感染のサインで、多くの場合、入院が必要となります。
右側または左側の脇腹から背中へ広がる痛み、赤い尿が出る

- 尿路結石:男性に多く、水分不足がきっかけになることがあります。七転八倒するほどの強い痛みが特徴です。
突然のお腹左側の痛みと、赤い便

- 虚血性腸炎: 高血圧や動脈硬化と関連があり、高齢の女性に多い傾向です。点滴と絶食で回復することが多いですが、便秘がきっかけになることもあります。
右下腹部の差し込まれるような持続する強い痛み
- 虫垂炎、大腸憩室炎を疑います。
- 虫垂炎は、悪化すると虫垂が破裂し、腹膜炎という命に関わる状態になるため緊急手術が必要になることがあります。右下腹部を指で押して離した時に痛む「反跳痛」がサインです。
- 大腸憩室炎は、大腸の壁にできた袋状の「憩室」に炎症が起きる病気で、虫垂炎と症状が似ています。
おなかが痛い、おなかが鳴る、ガスがしょっちゅう出る

- 過敏性腸症候群:ストレスが関係すると考えられており、下痢や便秘など排便の症状を伴うことが多いです。
下腹全体の痛み

- 便秘症、過敏性腸症候群、膀胱炎、婦人科疾患を疑います。
- 膀胱炎は排尿時の痛みや血尿、婦人科疾患は異所性妊娠や子宮内膜症などが考えられます。
2. 「吐き気」:気持ち悪さの裏に隠れたサイン
吐き気は非常に多くの病気で現れる症状です。単なる消化不良だけでなく、見逃せない重大な病気のサインであることもあります。
胃もたれ、むかつき、ゲップ、横になると苦しい

- 機能性ディスペプシア:胃腸の消化機能の不具合で起こり、胃カメラでは異常が見つからないことが多いです。
- 逆流性食道炎:様々な症状がありますが、横になると重力の影響で胃液が食道に逆流しやすくなるために症状がでている可能性があります。
飲酒翌日の胸焼け、喉の苦い感じ

- 逆流性食道炎:胃酸が食道に逆流することで起こる胸焼けが特徴ですが、吐き気を伴うこともあります。
ストレス、アルコール、鎮痛剤服用後に起こる

- 急性胃炎:胃の粘膜が炎症を起こし、胃内視鏡では粘膜の赤みや出血が見られます。
激しい腹痛と吐き気、少量の下痢

- 腸閉塞(イレウス):腸の一部が詰まる状態で、放置すると腸が破裂し、命に関わる腹膜炎を起こすこともあります。排便があっても油断できません。
胸の激しい痛み、肩や背中、みぞおちへの放散痛

- 心筋梗塞:消化器系の症状と紛らわしいことがあり、吐き気を伴うことも多いです。命に関わる病気なので、胸の痛みと併せて吐き気があれば注意が必要です。
- 自然気胸:せき込んだ後などに痛みがでた場合は、気胸といって肺に穴が開く病気の可能性があります。やせ型の若い方に多い傾向です。
便秘が悪化して

- 便秘症:腹部の膨満感や下腹部痛が主ですが、重度の便秘になると吐き気を訴える方もいます。
右下腹部の持続する腹痛に先行する
- 虫垂炎:典型的な右下腹部痛に先行して吐き気が現れることがあります。
意識障害、昏睡状態を伴う

- 糖尿病性ケトアシドーシス:糖尿病の重篤な合併症で、若い方や清涼飲料水を多飲する方に起こりやすいです。
頭痛、意識障害、けいれん、視力・視野障害を伴う

- 高血圧性緊急症:非常に高い血圧が原因で起こり、脳障害へと発展する可能性があります。
突然の激しい頭痛と同時に

- くも膜下出血:「バットで殴られたような」と表現される激しい頭痛が特徴で、吐き気を伴うことも多く、突然死の原因にもなり得る重篤な病気です。
発熱、意識障害、項部硬直(首が硬くなる)を伴う
- 髄膜炎:脳や脊髄を保護する膜の感染症で、重篤化しやすく迅速な診断と治療が必要です。
頭の位置を変えた時にぐるぐる回るようなめまいと同時に
- 良性発作性頭位めまい症:耳の奥の内耳の機能障害によるもので、命に関わる病気ではありませんが、吐き気を伴うことがあります。
3. 「下痢症状」:長引く、血が混じる…見逃せないサイン
単なる食べすぎや冷えによるものと思いがちな下痢ですが、その症状の出方によっては注意が必要な病気が隠れていることがあります。
激しい下痢と嘔吐

- 感染性胃腸炎:ノロウイルスなどが代表的。水分補給と安静が基本ですが、発熱や血便を伴う場合は細菌性の可能性もあり、抗菌薬が必要なこともあります。
血便を伴う下痢、軽い発熱、排便後もすっきりしない「渋り腹」

- 潰瘍性大腸炎:近年患者が増加している指定難病で、多くの場合、血便を伴います。診断には大腸内視鏡検査が必須です。
腹痛、血便を伴うことが多い、消化管の広範囲に炎症

- クローン病:こちらも患者が増加傾向にある難病です。口から肛門まで消化管のどの部位にも炎症を起こし、腸閉塞や瘻孔など複雑な合併症を起こすこともあります。
便秘と下痢を繰り返す、お腹の痛み、お腹が鳴る、ガス、便秘や下痢など多彩な排便症状

- 大腸がん:進行した大腸がんの典型的な症状です。がんによって腸管が狭くなり、便秘と下痢が交互に起こります。放置すると完全な腸閉塞となり、命に関わります。
- 過敏性腸症候群:排便によって症状が軽くなるのが特徴で、ストレスが大きく関与すると考えられています。
消化不良のような下痢、灰白色で水に浮きやすい脂肪便

- 慢性膵炎:アルコール性が多く、膵臓の機能が低下して消化酵素が不足するために起こります。腹痛を伴うこともあります。
迷ったらJR大久保駅北口すぐの「たなか内科クリニック」へ

お腹の痛み、吐き気、下痢といった症状は、胃腸などの消化器系の病気が原因であることが非常に多いです。しかし、中には心臓や脳、膵臓、胆嚢、腎臓、そして女性特有の婦人科系の病気など、消化器以外が原因となっているケースも少なくありません。
ご自身の症状だけで病気を特定するのは困難ですし、放置することで病気が進行し、治療が難しくなってしまう可能性もあります。
「どの病院に行けばいいかわからない」「このくらいの症状で病院に行っていいのかな?」と迷ったら、明石市のJR大久保駅北口すぐにある「たなか内科クリニック」にご相談ください。駅チカでアクセス抜群のため、明石市内はもちろん、神戸市西区、加古川市、高砂市など周辺地域からも多くの患者様にご来院いただいております。

私たちは、丁寧な問診と診察に加え、必要に応じて胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査、腹部エコー、血液検査、心電図などを用いて、症状の根本原因を特定します。適切な診断を行った上で、もし専門的な治療が必要な場合は、速やかに適切な専門病院へご紹介いたしますので、どうぞご安心ください。
あなたの身体のサインを見逃さず、健康で安心できる毎日を取り戻すために、たなか内科クリニックが全力でサポートいたします。
気になる症状がある方は、JR大久保駅北口すぐのたなか内科クリニックへお気軽にご来院ください。