- 2025年10月16日
【健康診断で陽性?】生理中でも要注意!便潜血検査の真実と大腸カメラの重要性
健康診断の「検便」、本当に意味がないって思っていませんか?

会社の健康診断や人間ドックで必ずある「便検査」、通称「検便」。正直、「面倒だな」「本当に必要なのかな?」と感じていませんか?
でも、この便潜血検査は、実はあなたの健康、特に大腸がんの早期発見において、非常に重要な役割を果たすんです。
「大腸がん」と聞くと、身近なようで遠い病気だと感じるかもしれません。しかし、残念ながら大腸がんに罹患する方は年々増加傾向にあります。早期発見・早期治療ができれば治る確率が非常に高い病気であるにもかかわらず、そのサインを見逃してしまうと、後悔することになるかもしれません。
今回は、便潜血検査の正しい知識と、陽性判定が出た時に「なぜ大腸カメラが必要なのか」を分かりやすくお伝えします。特に、生理中の検査における注意点や、検査の精度についても説明させていただきます。
「もしかして自分も…?」と感じたら、ぜひ最後まで読んで、ご自身の健康を守るための一歩を踏み出してください。
1.「便潜血検査」ってどんな検査?なぜ大切なの?

便潜血検査とは、その名の通り、便の中に微量の血液が混じっているかどうかを調べる検査です。肉眼では見えないほどの血液も検出できるのが特徴です。
大腸がんになると、がんの表面と便がこすれることで、わずかな出血が生じることがあります。この出血を便潜血検査で検出することで、まだ自覚症状がない早期の段階で異常に気づくことができるのです。
検査の種類と精度の高さ
便潜血検査には、1日分の便を採取する「一日法」と、2日分の便を採取する「二日法」があります。より多くの機会で出血を検出できるよう、二日法の方が大腸がんの発見率が高くなるとされています。
また、近年の便潜血検査では、ヒトの血液に含まれる「ヘモグロビン」という色素に反応する「免疫学的潜血反応」という方法が用いられています。これは、胃や食道からの出血だと消化の過程でヘモグロビンが検出されにくくなるため、大腸からの出血をより正確に検出できるという特徴があります。
便潜血検査は、便を採取して提出するだけなので、身体への負担が少なく、自宅で手軽に行えるのが大きなメリットです。
2.生理中や痔がある時の便潜血検査、どうすればいい?
「便潜血検査の時にちょうど生理になってしまった」
「昔から痔があるから、どうせ痔の血だろう」
と、自己判断で検査を避けてしまったり、陽性結果を軽視してしまったりするケースは少なくありません。しかし、これらは非常に危険な落とし穴になり得ます。
生理中の検査は避けましょう

生理中の便潜血検査は、経血が便に混じることで陽性と判定されてしまう可能性が高いため、避けるのがベターです。正確な検査結果を得るためにも、生理期間を避けて採取するようにしましょう。
しかし、もし生理期間中に陽性が出たとしても、「生理のせいだ」と自己判断してはいけません。稀に、経血だと思っていた出血の裏に、大腸の病気が隠れているケースもあるからです。
痔からの出血と大腸がん

痔がある方も、排便時に出血することがあるため、便潜血検査で陽性となることがあります。「いつもの痔だろう」と自己判断してしまう気持ちはよく分かります。
ですが、痔からの出血があったとしても、同時に大腸がんやポリープからの出血が混じっている可能性も否定できません。「痔だから大丈夫」と放置して、もし大腸がんが進行してしまったら…これは避けたい事態ですよね。
そのため、生理中や痔による出血があった場合でも、便潜血検査で陽性反応が出たら、必ず医療機関を受診し、精密検査を受けるようにしてください。自己判断はせずに、医療機関に相談することが何よりも大切です。
3. 便潜血検査の「デメリット」と「注意点」を知っておこう!
手軽で身体への負担が少ない便潜血検査ですが、いくつか注意しておくべき点やデメリットもあります。
便潜血検査のデメリット
精密検査が必要でも、 受ける人が少ない | 陽性反応が出ても、面倒に感じて精密検査を受けない方が多いのが現状です。 |
確定診断ではない | 便潜血検査はあくまで「スクリーニング検査」であり、陽性が出たからといって必ずしも大腸がんと診断されるわけではありません。 |
偽陽性の可能性 | 生理や痔の出血のように、大腸がん以外の原因でも陽性反応が出ることがあります。 |
排便のタイミング | 下痢や便秘の場合、検査に必要な便の採取が難しいことがあります。 |
便潜血検査の注意点
便器の水に触れないように | 採取する便が便器内の水に触れると、正確なデータが得られない可能性があります。トイレットペーパーを敷くなどの工夫をしましょう。 |
採取は提出日の2〜3日前まで | 便中のヘモグロビンは時間が経つと減少する傾向があります。正確な結果のため、採取から提出までの期間を短くしましょう。 |
冷暗所に保管 | 高温の場所で保管するとヘモグロビンが変性し、正確な結果が得られなくなります。冷蔵庫での保管が適切ですが、抵抗があれば保冷剤を入れた発泡スチロールなどで涼しい場所に保管してください。 |
3.便潜血陽性なら、なぜ「大腸カメラ」が一番確実なの?

便潜血検査で陽性が出た場合、医師はより詳しい大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を勧めます。中には「もう一度便潜血検査を受けさせてほしい」と希望される方もいますが、一度陽性反応が出た場合は、医師は1回でも陽性になったことを重視します。
大腸カメラ検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の粘膜を直接目で観察する検査です。この検査が最も確実とされるのには理由があります。
大腸カメラの圧倒的な長所
- 小さな病変を見逃さない: 特に5mm以下の微細なポリープやがんを見つける能力において、大腸カメラより優れた検査はありません。
- 検査と治療が同時にできる: 病変が見つかった場合、その場で組織を採取して詳しく調べたり、ポリープを切除したりすることが可能です。これにより、後日改めて手術を受ける手間や身体的負担を減らすことができます。
- 粘膜の状態を直接確認: 粘膜の色調や細かい血管の模様など、肉眼で詳細に観察できるため、診断の精度が非常に高くなります。
便潜血検査では「出血している可能性がある」ことしか分かりませんが、大腸カメラなら「どこから、何が原因で出血しているのか」を特定し、その場で対応できる唯一の検査なのです。
あなたの「違和感」を「安心」に変えましょう

大腸がんは、早期発見ができれば非常に高い確率で治療が可能です。そのためには、身体からの小さなサインを見逃さず、迅速に検査を受けることが何よりも大切です。特に、40歳を過ぎるとがんの発症率が高まる傾向にあるため、定期的な検査を習慣化させましょう。
「便潜血陽性」という結果が出た時、あるいは少しでも血便や便通の異常など、身体に違和感がある時は、決して自己判断で放置せず、すぐに消化器内科を受診してください。
あなたの健康を守るための一歩を、私たちと一緒に踏み出しませんか?少しでも気になる症状がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
便潜血陽性は大腸がん健診陽性と同じと思ってもらいたいです。 ほとんどが肛門からの出血が原因となりますが、ポリープや他の病気が見つかる場合もあります。 |