- 2025年1月28日
- 2025年1月30日
袋状にふくらむ腸の異変?大腸憩室症の特徴と対策
大腸憩室症とは?
大腸憩室症は、大腸の壁が弱くなり、一部が袋状にふくらむ状態を指します。この袋状の部分を「憩室(けいしつ)」といいます。多くの場合、症状はありませんが、炎症を起こしたり出血したりすることがあり、重症化すると手術が必要になることもあります。
憩室ができる理由
大腸は食べ物の消化を終えた後の水分を吸収し、便を作る役割があります。憩室は、腸内に便やガスがたまり腸にかかる圧力が高くなると、大腸の壁が外側に押し出される形でできます。便秘や筋力の低下が関係していることが多いです。
便秘や硬い便が続くと腸内の圧力が上がり、壁の弱い部分が負担を受けやすくなります。加齢や腸壁の炎症も憩室ができやすくなる原因です。さらに、憩室に便や細菌がたまると炎症を引き起こし、強い腹痛や発熱、感染症状が現れることがあります。
憩室ができやすい人
低食物繊維の食事や運動不足が続くと、便秘や腸の動きの低下を招き、憩室ができやすくなります。加齢による腸壁の弱体化も影響し、特に50歳を過ぎると憩室を持つ人が増えます。ストレスも腸の働きを乱す要因の一つとされています。
大腸憩室症の症状
憩室症は無症状のことが多いですが、炎症を起こすと下腹部の鈍い痛みや発熱、吐き気などが現れることがあります。憩室が破れると出血し、便に鮮血が混ざることもあります。さらに進行すると、腸が詰まる腸閉塞や、腸に穴が開く穿孔(せんこう)を引き起こすことがあり、緊急手術が必要です。
大腸憩室症の検査と診断
憩室の有無や炎症の状態を確認するには、大腸カメラ(下部内視鏡検査)やCTスキャンが用いられます。急性期では炎症がひどいため、炎症が落ち着いてから検査することが一般的です。
治療方法
軽い炎症の場合は、飲み薬で炎症を抑えたり、腸内環境を整える治療を行います。重症の場合は点滴で抗生物質を投与したり、腸の一部を切除する手術が検討されることがあります。腸に穴が開いたり、感染がひどい場合には一時的に人工肛門(ストーマ)が必要になることもあります。
予防のポイント
憩室症を予防するには、食事や生活習慣を整えることが重要です。食物繊維を多く含む野菜や果物を取り入れ、便秘を防ぎましょう。ウォーキングなどの軽い運動で腸の動きを促進することも効果的です。ストレスを減らし、タバコやアルコールを控えることも腸の健康を守るために大切です。
大腸憩室症は症状がない場合も多いですが、炎症や出血を伴うと重症化する可能性があります。日々の生活習慣を見直し、便秘を防ぐことで予防や再発防止につながります。異常を感じたら早めに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けることで、大腸の健康を維持することができます。
※大腸憩室症は大腸カメラを行っていると、比較的多い変化です。
基本的に無治療で良いですが、憩室出血や憩室炎の予防として普段の排便管理が重要です。便秘傾向の方は生活習慣の改善を行い、不十分な場合は下剤内服を相談頂ければと思いま