- 2026年1月6日
胃痛だと思ったら「胆管炎」?みぞおちや右脇腹の激しい痛み・発熱に注意すべき理由

「みぞおちがキリキリ痛む…胃炎かな?」
「胃薬を飲んでいるのに、熱が出てきた…」
そんな症状にお悩みの方はいらっしゃいませんか?明石市のたなか内科クリニックです。
みぞおち付近の痛みは、一般的に「胃の不調」と考えられがちですが、もし痛みに加えて「発熱」や「肌や白目が黄色くなる(黄疸)」といった症状がある場合、それは胃ではなく「胆管(たんかん)」の病気かもしれません。
今回は、処置が遅れると命に関わることもある「急性胆管炎」について解説します。
1.そもそも「急性胆管炎」とは?

胆管とは、肝臓で作られた消化液(胆汁)が流れるパイプのような管です。
この管の途中に「胆石(石)」などが詰まり、流れがせき止められてしまうと、そこで細菌が繁殖して感染を起こします。これが急性胆管炎です。
日本では5〜10%の方が胆石を持っていると言われており、決して珍しい病気ではありません。しかし、胃炎や胃潰瘍とは違い、急速に重症化しやすいのが特徴です。
2.これが出たらすぐ病院へ!危険な「3つのサイン」

急性胆管炎には、特徴的な3つの症状があります。医学的には「シャルコーの三徴(さんちょう)」と呼ばれ、これらの症状が揃っている場合は非常に危険な状態の可能性があります。
- 腹痛: みぞおちや、右側のあばら骨の下あたりが激しく痛む。
- 発熱: 38度以上の高熱が出ることが多く、悪寒(震え)を伴うこともあります。
- 黄疸(おうだん): 皮膚や目の白目の部分が黄色くなる。尿の色が濃くなる。
特に「痛み+熱」がある場合や、鏡を見て「目が黄色っぽい」と感じた場合は、様子を見ずにすぐに医療機関を受診してください。
3.なぜ「急性胆管炎」は怖いのか?

「ただの炎症なら、抗生物質で治るのでは?」と思われるかもしれません。
しかし胆管炎の恐ろしいところは、胆管内の圧力が高まることで、細菌が血液に乗って全身に回ってしまうリスクが高い点です。
これを「敗血症(はいけつしょう)」と呼びます。敗血症になると、血圧が急激に下がってショック状態に陥ったり、意識障害を起こしたりと、命に関わる事態に直結します。
胃の痛みと勘違いして我慢している間に、数時間単位で病状が悪化することもあるため、早期発見が何より重要です。
4. 検査と治療について
胆管炎の治療には、血液検査やエコー検査、CT/ MRI検査を用いて、胆管の腫れや結石の位置を迅速に診断します。
治療法
基本的には、点滴(抗菌薬)で細菌を叩くだけでなく、物理的に詰まりを解消する処置が必要です。
多くの場合は、内視鏡を使って詰まっている石を取り除いたり、ステント(管)を入れて胆汁の流れを良くしたりする処置(ERCP)が行われます。
5. まとめ:みぞおちの痛みは「胃」だけではありません

「胃が痛いから胃薬を飲む」という自己判断は、時に重大な病気を見逃す原因になります。
特に以下のような方は注意が必要です。
- 過去に「胆石」があると言われたことがある方
- 脂っこい食事やアルコールをよく摂取する方
- 急な発熱と腹痛がある方
「いつもの胃痛と少し違うな」と感じたら、迷わずご相談ください。
採血や腹部エコー検査の結果、必要と判断した場合は速やかに連携医療機関へ紹介を行い最善の治療提供を心がけています。