- 2025年1月28日
- 2025年1月30日
潰瘍性大腸炎と日常生活のポイント
1.潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎は、大腸の内側に炎症が起こり、ただれ(潰瘍)ができる病気です。症状が治まる時期と、悪化する時期を繰り返す慢性の病気です。免疫の異常が原因とされ、下痢や血便、腹痛が主な症状です。20〜30代で発症することが多いですが、すべての年齢で見られます。
2.潰瘍性大腸炎の診断方法
潰瘍性大腸炎を診断するには、まず医師が症状や生活習慣について詳しく話を聞きます。
1日に5回以上の下痢が一週間以上続く場合や血便を伴う場合等は潰瘍性大腸炎の可能性があるため、大腸カメラ(下部内視鏡検査)で腸内の炎症や潰瘍の広がりを確認します。血液検査も行い、炎症の程度や貧血の有無を調べることが一般的です。
3.潰瘍性大腸炎の治療法
潰瘍性大腸炎の治療は、炎症を抑える薬を使うことが中心です。病状によって、軽い症状には内服治療(5-ASA製剤)、重い場合はステロイドや免疫抑制剤、生物学的製剤を使用します。最近では新しい治療薬も開発され、治療の選択肢が広がっています。
4.潰瘍性大腸炎患者の社会生活
潰瘍性大腸炎の症状は、仕事や外出にも影響を与えることがあります。職場や学校での配慮が必要な場合は、主治医から意見書をもらうなどして周囲に理解を求めましょう。また、患者同士で情報や体験を共有することは、精神的な支えとなります。医療費助成制度も利用し、経済的な負担を軽減することができます。
また、潰瘍性大腸炎を持つ方でも、病状が落ち着いていれば健康な妊娠・出産が可能です。妊娠を計画する場合は、あらかじめ主治医に相談し、症状を安定させておきましょう。服用中の薬が胎児に影響を与えないか確認することも重要です。
また、潰瘍性大腸炎は、長く続くと大腸がんのリスクが高まることがあります。そのため、定期的な内視鏡検査が重要です。また、腹痛や血便が続く場合は病状が悪化している可能性があるため、早めに医師に相談してください。
5.日常生活で気をつけたいこと
潰瘍性大腸炎は、生活習慣が病状に影響するため、日常生活での工夫が重要です。食事は、腸に負担をかけないように消化の良いものを選びましょう。ストレスは症状を悪化させることがあるため、リラックスできる時間を持つことが重要です。さらに、適度な運動は腸の働きを整える効果があります。
近年では、新しい治療薬や治療法の研究が進み、症状のコントロールがより効果的になっています。患者の声を反映した研究も進んでおり、医療現場でのサポート体制も向上しています。定期的に情報を確認し、必要に応じて新しい治療法を検討しましょう。
潰瘍性大腸炎は慢性的な病気ですが、適切な治療と生活習慣の工夫で、症状をうまくコントロールすることが可能です。医師と相談しながら、自分に合った生活スタイルを見つけていきましょう。
※潰瘍性大腸炎と診断された場合は、難病申請を行うことで経済的な負担も減らすことが可能となります。(軽症例は除く)
炎症のコントロールを行えていれば問題ありませんが、大腸がんのリスクは通常よりは高くなるため、炎症が落ち着いていても年に一回の大腸カメラが推奨されます。