- 2026年1月6日
「黒い便(タール便)」が出たら胃がん?海苔の佃煮のような便は危険信号!原因と受診の目安

「トイレでふと便を見たら、真っ黒だった…!」
「海苔の佃煮(のりのつくだに)のように、ドロっとしていて気持ち悪い…」
そんな便が出たら、誰でも不安になると思います。
これは医学的には「タール便(黒色便)」と呼ばれ、消化器内科医が最も警戒する「体からのSOSサイン」の一つです。
今回は、絶対に放置してはいけない「黒い便」の正体と、食事や薬による影響との見分け方、そして当院での検査の流れについてお伝えいたします。
1.なぜ便が「黒く」なるの?

便に血が混じるといえば「赤色」をイメージする方が多いですが、出血場所によって便の色は変わります。
- 赤い便(鮮血便): 大腸や肛門(痔など)からの出血。出口に近いので赤いまま出てきます。
- 黒い便(タール便): 胃・食道・十二指腸など、口に近い消化管からの出血。
胃などで出血した血液は、胃酸の影響を受けて時間が経つと酸化し(鉄が錆びるように)黒く変色します。これが便と混ざり合うことで、コールタールのような粘り気のある黒い便になるのです。
2.様子を見てもいい「黒い便」はある?

黒い便が出たからといって、全てが病気というわけではありません。以下の場合は、一時的な影響の可能性が高いです。
鉄剤(貧血の薬)を飲んでいる
薬に含まれる鉄分が酸化して黒くなります。これは正常な反応です。
黒い食材を食べた
イカスミ、海藻類(ひじき・わかめ)、チョコレート、ココアなどを大量に食べた場合。
見分け方のポイント
食事や薬が原因の場合は、「便の形や硬さは普段と変わらない」「嫌なにおいがない」ことがほとんどです。摂取をやめて色が戻れば心配ありません。
3.この特徴は危険!病気が疑われる「タール便」

一方で、以下のような特徴がある場合は「消化管出血」の可能性が非常に高いです。
| ・海苔の佃煮のようにドロリとしている ・強い粘り気があり、便器にこびりつく ・生臭いような、特有の強い悪臭がする |
疑われる主な病気
1.胃潰瘍・十二指腸潰瘍

ストレスやピロリ菌、痛み止め薬(ロキソニン等)の影響で粘膜が傷つき出血します。
※特に十二指腸潰瘍は、穴が空く(穿孔)まで腹痛が出ないケースもあるため、「痛くないから大丈夫」は禁物です。
2.胃がん・食道がん

進行したがんからの出血です。初期症状が乏しいため、黒い便が最初の発見のきっかけになることもあります。
3.食道静脈瘤

肝臓病をお持ちの方に見られます。血管が破裂すると大量出血を起こし、命に関わります。
4. 「痛くない」から大丈夫?受診と検査の目安
「お腹は痛くないし、黒い便が出ただけだから様子を見よう」
これが一番危険です。出血していても痛みを感じないことは多々あります。
当院での診断の流れ

黒い便で受診された場合、まず「血液検査」を行います。
そこで「貧血」の反応があれば、体の中で出血が続いている証拠です。急を要すると判断した場合は、速やかに治療へ進みます。
原因特定には「胃カメラ」が不可欠

出血場所や、それが「がん」なのか「潰瘍」なのかを特定するには、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)しかありません。
「胃カメラは苦しそう…」と不安な方もご安心ください。たなか内科クリニックでは、以下の2つの方法からお選びいただけます。
1.鎮静剤(静脈麻酔)を使用

ウトウトと眠っているような状態で、苦痛や恐怖心をほとんど感じずに検査を受けられます。
2.経鼻内視鏡(鼻から)

舌の付け根に触れないため、「オエッ」となる嘔吐反射が少なく、楽に検査が可能です。
5.まとめ:便は健康のバロメーター

便の色は、あなた自身の健康状態を映し出す鏡です。
流してしまう前に、チラッと確認する習慣をつけましょう。
もし「海苔の佃煮のような黒い便」が出たり、同時に「めまい・立ちくらみ(貧血症状)」を感じたりした場合は、消化管からの出血サインかもしれません。
明石市大久保にお住まいの方、JR大久保駅をご利用の方は、たなか内科クリニックまでお早めにご相談ください。
※黒い便がでた場合、お腹の痛みがあれば早めの受診が必要です、少し便が黒っぽいかなと思う場合は継続して便の観察をお願いしています。
当日絶食で来院される場合や、昼食抜きで夕方に来院頂いた場合は極力当日の検査も対応しております。最近ではご高齢の方の場合は逆流性食道炎からの出血も見受けられますので、気になる場合は一度胃カメラをお勧めします。