- 2026年1月6日
食後にお腹がパンパンに張る・おならが止まらない…その原因は?「過敏性腸症候群(ガス型)」の症状と治し方

「ランチを食べた後、急にお腹が膨れてスカートやベルトがきつくなる…」
「会議中や静かな場所で、おならが出そうで冷や汗が出る」
「ガスがお腹の中でポコポコ動いて痛い」
このような症状に、長年悩まされていませんか?
「ただのガス腹」「体質だから」と諦めている方も多いですが、その正体は「過敏性腸症候群(IBS)」の「ガス型」かもしれません。
今回は、生活の質(QOL)を大きく下げてしまうこの病気の正体と、今日からできる改善法についてお伝えいたします。
1.「過敏性腸症候群(ガス型)」とは?

過敏性腸症候群(IBS)というと、「下痢」や「便秘」を繰り返すイメージが強いかもしれません。
しかし、IBSには「ガス型」と呼ばれるタイプが存在します。
検査をしても腸に炎症やポリープなどの異常は見つからないのに、以下のような症状が現れるのが特徴です。
【ガス型の主な症状】
- お腹の張り(腹部膨満感): ガスが溜まってお腹が苦しい。
- おならが止まらない: 我慢できないほど頻繁に出る、または無意識に漏れてしまう不安がある。
- お腹が鳴る: グルグル、キュルキュルと大きな音が鳴る(腹鳴)。
- 排便やガスが出ると楽になる: 出すと一時的に腹痛や不快感が和らぐ。
2. なぜ食後にパンパンになるの?主な原因
なぜ、あなたのお腹にはこんなにもガスが溜まってしまうのでしょうか。主な原因は3つ考えられます。
① 腸の「知覚過敏」と「運動異常」

IBSの方は、腸が非常に敏感になっています。健康な人なら気にならない程度の少量のガスでも、「お腹が張って苦しい!」と脳が過敏に感じ取ってしまいます。
また、ストレスなどで自律神経が乱れると、腸の動きが不規則になり、ガスをスムーズに排出できずに溜め込んでしまいます。
② 無意識に空気を飲んでいる(呑気症)
「ガスが出そう…」という不安や緊張から、無意識に唾を飲み込む回数が増え、同時に大量の空気を胃に送り込んでしまっているケースです。
③ 特定の食べ物が合っていない(FODMAP・SIBO)

「パンやパスタ、納豆などの『体に良いもの』を食べた後に限って、お腹が張る」ということはありませんか?
実は、小腸で吸収されにくい糖質(FODMAP:フォドマップ)を含む食品が、小腸内で異常発酵を起こし、爆発的にガスを発生させている可能性があります。これはSIBO(小腸内細菌増殖症)とも深く関連しています。
3. 自分でできる「治し方」と対策
「ガス型」の辛い症状を和らげるために、まずは以下のことを試してみてください。
① 「低FODMAP食」を試してみる

腸内で発酵しやすい食品(小麦、玉ねぎ、豆類、牛乳など)を一時的に控え、お米や魚、肉などを中心にした食事に変えてみます。これで張りが減るなら、食事が原因の可能性が高いです。
② 「ガス抜きのポーズ」とマッサージ

物理的にガスを移動させます。
- うつ伏せ寝: お腹を床につけて寝るだけでも、圧迫されてガスが抜けやすくなります。
- 「の」の字マッサージ: おへそ周りを時計回りに優しくマッサージします。
③ 不安を取り除く(リラックス)

「おならが出たらどうしよう」という不安が、余計に腸を緊張させます。「出てもいいや」「トイレに行けばいい」と開き直ることも、腸をリラックスさせる重要な薬です。
4. 病院での治療について

生活習慣の改善だけで良くならない場合は、消化器内科にご相談ください。当院では以下のような治療を行います。
- 整腸剤・ガス駆除薬: ガスの泡を消すお薬や、腸内環境を整えるお薬を処方します。
- 漢方薬(大建中湯など): お腹を温めて腸の動きを整える漢方が著効する場合があります。
- 適切な検査: 「ガスだまりだと思っていたら、実は大腸がんだった」という見逃しを防ぐため、必要に応じて内視鏡検査などで腸の状態を確認します。
まとめ:一人で悩まず、相談してください

過敏性腸症候群(ガス型)は、命に関わる病気ではありませんが、「心」と「生活」を辛くさせる病気です。
「恥ずかしくて病院に行きづらい」と思っている方もご安心ください。たなか内科クリニックでは、患者様のプライバシーに配慮し、丁寧にお話を伺います。
パンパンに張ったお腹の苦しみから解放され、食事や外出を心から楽しめるようサポートいたします。
※お腹の張りは、比較的多い症状と思います。内服薬等でもなかなか調整がうまく行かないことも、しばしば経験しております。まずは、大腸癌やクローン病等の特殊な病気が無いかを確認し、否定されれば長期間での調整が必要となります。焦らずに、運動量や食生活の見直しを行っても良いと思います。