- 2026年3月6日
授業中や会議中におならが止まらない…「IBSガス型」の辛い症状と対策

「緊張したりストレスを感じるとすぐにお腹が痛くなる」「おならが頻繁に出て、しかも臭いが気になる」と悩んでいませんか? 特に職場、学校、満員電車などの静かな環境でお腹が張ったり、ガスが漏れそうになったりするのは、精神的にも非常に辛いものです 。 もし、病院の検査で異常が見つからないのにお腹の不調が続くなら、それは「過敏性腸症候群(IBS)」の「ガス型」かもしれません 。
今回は、IBSガス型の原因や、日常生活で取り入れられる具体的な対策についてお伝えいたします。
IBS(過敏性腸症候群)ガス型とは?

IBSは、腸に潰瘍や炎症といった目に見える器質的な異常がないにもかかわらず、腸が正常に機能せずに不調を引き起こす機能性腸疾患です 。 日本では全人口の約10〜20%が抱えていると推定され、若い女性や働き盛りの男性に多く見られます 。
IBSには「下痢型」「便秘型」「混合型」などがありますが、「ガス型」はお腹がパンパンに張る(腹部膨満)、頻繁なおならやゲップ、お腹のゴロゴロ音(腹鳴)が主な症状です 。
なぜ異常にガスがたまるのか?(主な原因)

ガス型IBSを引き起こす背景には、次のようなメカニズムが複雑に絡み合っています。
- 空気の飲み込み(呑気症): 早食いや麺類をすする行動、または緊張やストレスで唾液を飲み込む回数が増えることで、無意識に大量の空気を胃腸に送り込んでしまいます 。
- 自律神経とセロトニンの乱れ: 強いストレスや不安を感じると、脳腸相関により神経伝達物質である「セロトニン」の分泌が増加し、腸の運動や知覚に異常をきたします 。
- 腸内細菌バランスの乱れ: 腸内で悪玉菌が増加すると内容物が腐敗し、においの強いおならの原因になります 。
- 高FODMAP食の摂取: 小腸で吸収されにくく大腸で発酵しやすい糖質(FODMAP)を多く摂ることで、腸内に大量のガスが発生しやすくなります 。
自分でできる対策とセルフケア

毎日の生活習慣を少し工夫するだけで、辛い症状を和らげることが期待できます。
| ・食事の摂り方を工夫する: 空気を飲み込まないよう、よく噛んでゆっくり少量ずつ食べることを心がけてください 。 ・腸を刺激する食品を控える: 脂質の多い食事、カフェイン、アルコール、香辛料は腸の動きを過剰に活発化させたり刺激したりするため、控えるのが無難です 。 ・朝の排便習慣をつける: 早寝早起きを心がけ、朝食後などに余裕を持ってトイレに座り、ガスや便をしっかり排出する習慣をつけましょう 。 ・適度な運動を取り入れる: 1日10分〜15分程度のウォーキングなど、体に負担をかけない軽い運動は自律神経のバランスを正常化させるのに有効です 。 |
腸に優しい「低FODMAP食」の取り入れ方

腸内でガスを発生させやすい「高FODMAP食」を控え、「低FODMAP食」を取り入れる食事療法も治療として有効であることが分かっています 。
| 避けた方がよい食品(高FODMAP食) | おすすめの食品(低FODMAP食) |
| 小麦製品(パン、パスタ、ラーメンなど) +1 | 米、玄米、十割そば、オートミール |
| 玉ねぎ、ごぼう、豆類、納豆 +1 | トマト、ブロッコリー、ほうれん草、キャベツ |
| 牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム +1 | バター、プロセスチーズ、アーモンドミルク |
| リンゴ、スイカ、桃 | バナナ、イチゴ、オレンジ |
※すべての高FODMAP食を完全に排除するのは難しいため、お腹の調子が悪くなったときに食べたものを記録し、自分に合わない食品を見つけることが大切です 。
専門の医療機関を受診する重要性

IBSを診断するためには、大腸がんや炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)といった重大な器質的疾患が隠れていないか、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)などで確認・除外することが不可欠です 。
医療機関では、腸内細菌のバランスを整える整腸剤、腸内ガスを細かくする消泡剤、腸の過剰な収縮を抑える抗コリン薬、漢方薬など、一人ひとりの症状に合わせた薬物療法を受けることができます 。
ガス型IBSは決して「気のせい」ではありません 。 においや音が気になり、人前で常に緊張してしまうのは日常生活において大きなストレスとなります 。 まずは食事や生活習慣の見直しから始め、一人で悩まずに早めに消化器内科医に相談して、安心できる快適な毎日を取り戻しましょう 。