- 2026年5月11日
ピロリ菌除菌治療の副作用と対処法|下痢・発疹・味覚変化が出たら

こんにちは。
明石市のJR大久保駅北口すぐにある「たなか内科クリニック」です。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の除菌治療を受けると、下痢・軟便・腹部不快感・皮膚の発疹・口の中の苦みなどの副作用が現れることがあります。「副作用が出たら薬を止めていいの?」「除菌に失敗するのが怖い」という不安をお持ちの方のために、今回は副作用の種類・対処法・除菌治療継続の重要性を詳しくお伝えします。
■ピロリ菌除菌治療とは?

ヘリコバクター・ピロリ菌は胃の粘膜に住みつく細菌で、胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・さらには胃がんの主要な原因となっています。日本人の感染率は50歳代以上で50%以上とも言われています。
除菌治療は、2種類の抗生物質(抗菌薬)と胃酸を抑える薬の3剤を1日2回、7日間服用する「一次除菌療法」が標準治療です。除菌成功率は約70〜80%で、一次除菌が失敗した場合は抗生物質の一つを変えた「二次除菌療法」を行います。二次除菌まで行うと累積成功率は95%近くに達します。
除菌治療が成功すると、胃炎・潰瘍の再発を大幅に防ぎ、胃がんリスクを約1/3に低下させることが示されています。胃カメラ検査で慢性胃炎等の診断があれば保険診療で受けられるため、ピロリ菌感染が確認されたら積極的に除菌を検討しましょう。
■よくある副作用①:下痢・軟便・腹部不快感

除菌療法の中で最も頻繁に起こる副作用は、消化器系の症状です。抗生物質が腸内の細菌叢(腸内フローラ)を乱すことで起こります。
【主な消化器系副作用】
・下痢・軟便(発生頻度 約10〜30%)
・腹部不快感・腹痛、吐き気
【対処法】
下痢が軽度〜中等度であれば、水分をしっかり摂り、消化に良い食事を心がけながら除菌薬の服用を続けてください。市販の整腸剤などを併用することで症状が和らぐこともあります。
重要なのは、「下痢が出たからといって勝手に除菌薬を止めないこと」です。中途半端に薬を止めると除菌が不完全となり、薬剤耐性菌(抗生物質が効かないピロリ菌)を生み出すリスクがあります。ただし、発熱や激しい腹痛を伴う下痢、血便などがある場合は直ちに服用を中止し、主治医に相談してください。
■よくある副作用②:皮膚症状(発疹・じんましん)

除菌治療中にかゆみを伴う発疹・じんましんが出ることがあります(約2〜5%)。これは、ペニシリン系などの抗生物質に対するアレルギー反応が主な原因です。
じんましんや全身のかゆみ、発疹などのアレルギー症状が出た場合は、内服を継続すると悪化する危険があるため、速やかに除菌治療薬を中止し、当院へご連絡ください。
特に、唇・舌・喉の腫れ(息苦しさ)、全身の蕁麻疹、めまい、血圧低下などの「アナフィラキシー」の症状が現れた場合は緊急受診が必要です。アレルギー反応が確認された場合は、二次除菌で別の抗生物質に変更して治療を再開します。
■よくある副作用③:味覚変化・口の苦み
抗生物質(クラリスロマイシンなど)の服用中に、味覚の変化が起きることがあります。
【症状】
・口の中が苦い・金属っぽい味がする
・食べ物の味が変に感じる
【対処法】
これらは薬の服用を終えると自然に消失することがほとんどです。一時的なものと考えて、7日間の治療を乗り越えましょう。
※その他、治療中は「絶対禁酒」をお願いしています。アルコールは薬の副作用(吐き気や頭痛など)を強く引き起こす原因となるため、治療期間の7日間は必ずお酒を控えてください。
■副作用への対処法と除菌継続の重要性

除菌治療中に副作用が出た場合の基本的な対処方針を整理します。
【軽度の下痢や味覚異常】:除菌薬を最後まで(7日間)服用し続ける。
【重い下痢や腹痛】:主治医に相談し、対処を行いながら継続を検討する。
【発疹・じんましん・息苦しさ】:直ちに除菌薬を中止し、クリニックへ連絡する。
「副作用が怖いから除菌治療をしたくない」という方もいらっしゃいますが、多くは一時的なものであり、除菌による「将来の胃がん予防」というメリットは計り知れません。
■よくあるご質問(Q&A)

Q: 途中で薬を飲むのを忘れてしまったらどうすればいいですか?
A: 飲み忘れに気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は忘れた分は飛ばし、絶対に2回分を一度に飲まないでください。確実な除菌のためには、飲み忘れを防ぐ工夫が大切です。
Q: アレルギーで薬を中止した場合、除菌は失敗になりますか?
A: 途中で中止した場合でも、3日程度内服できていれば除菌が成功しているケースもあります。そのため、お薬を中止した場合でも、後日(当院では2ヶ月後を目安に)尿素呼気試験による除菌判定検査を行います。
Q: 副作用で下痢が出た場合、市販の下痢止めを飲んでもいいですか?
A: 自己判断での「下痢止め(腸の動きを止める薬)」の服用はお控えください。腸内に原因物質がとどまり、症状が悪化する恐れがあります。ただし、腸内環境を整える「整腸剤」は併用していただいて問題ありません。下痢の症状が辛い場合は、まずは主治医へご相談ください。
■おわりに:除菌後の定期的な胃カメラが重要な理由

除菌に成功しても、「もう胃がんにならない」というわけではありません。長年の感染により胃の粘膜がダメージを受けている(萎縮性胃炎)ため、胃がんのリスクはゼロにはならないのです。
当院では、除菌後およそ2ヶ月後を目安に「尿素呼気試験」で除菌判定を行います。
そして除菌成功確認後は、「特に除菌後5年間は年1回の胃カメラ検査」を強く推奨しています

たなか内科クリニックでは、ピロリ菌の検査から除菌治療、そして除菌後の定期的な胃カメラ検査まで一貫してサポートしております。「最近胃の調子が悪い」「健診でピロリ菌陽性だった」、あるいは「副作用が不安で治療に踏み切れない」という方は、一人で悩まずに明石市・JR大久保駅すぐの当院へぜひお気軽にご相談ください。鎮静剤を使った苦痛の少ない胃カメラ検査で、あなたの胃の健康をしっかりお守りします。