- 2025年1月25日
- 2025年1月30日
ヘリコバクターピロリ菌感染について
ピロリ菌感染とそのリスク
ヘリコバクターピロリ菌感染は、通常無症状で経過することが多いですが、胃炎が進行すると胃潰瘍や胃がんのリスクが高まります。しかし、ピロリ菌が陽性の場合でも、早期に除菌治療を行うことで胃がんのリスクを低下させることができます。
検査の重要性
胃のバリウム検査では胃炎が明確に診断できない場合があります。そのため、これまで市民健診では胃のバリウム検査が主体でしたが、自治体によっては2年ごとに胃カメラ検査へ変更するケースが増えています。胃のバリウム検査や胃カメラで慢性胃炎と記載された場合、ピロリ菌感染の可能性があるため、積極的に検査を受けることをお勧めします。
ピロリ菌感染の検査方法
ピロリ菌感染の有無を確認するためには、採血による血中ピロリIgG抗体測定が一般的です。ピロリ菌陽性と診断された場合は、除菌治療を行います。ただし、除菌治療を始める前に必ず胃カメラ検査を受けていただく必要があります(すでに胃がんが発生している可能性があるため)。なお、数か月以内に胃カメラを受けている方は、そのまま除菌治療を開始することが可能です。
除菌治療の内容
除菌治療では、胃薬と2種類の抗生物質を7日間服用します。
除菌後の判定検査
除菌治療後、1~2か月以上経過してから、成功したかどうかを判定する検査を受ける必要があります。当院では、通常「尿素呼気試験」を実施しています。この検査では、胃内の成分で判定するため、必ず検査当日は絶食でご来院いただきます。
具体的には、最初に風船のような袋を膨らませ、その後1錠の薬を服用していただき、20分後に再度袋を膨らませます。結果については後日説明を行います。
尿素呼気試験以外には、便中ピロリ抗原検査も判定方法として利用できます。ただし、採血によるピロリ菌検査は、除菌後も長期にわたって陽性となる可能性があるため、除菌後の判定には適していません。
除菌後の経過観察と治療の継続
除菌が成功しても、すぐに慢性胃炎が改善するわけではありません。そのため、定期的な胃カメラ検査を継続的に受けることをお勧めします。また、除菌失敗と判定された場合には、薬を変更して二次除菌を行います。それでも失敗した場合、定期検査を継続するか、自費で三次治療を検討することも可能です。
予約とお問い合わせについて
健診で「ピロリ菌陽性」と指摘された方や「胃のバリウム検査で異常」と診断された方は、電話やWEB、LINEからの予約が可能です。お気軽にお問い合わせやご予約をご検討ください。