• 2025年1月30日

急性下痢と慢性下痢の違いやストレスとの関係とは

下痢は、水分を多く含む便が頻繁に排出される状態を指します。原因は一時的なものから慢性疾患までさまざまで、正しい対処が必要です。

下痢の種類と原因

急性下痢

急性下痢は数日から1週間程度で治まることが多く、ウイルス性胃腸炎や食中毒が主な原因です。下痢に加えて発熱や吐き気、腹痛を伴うことがあり、適切な水分補給や休養が重要です。

慢性下痢

慢性下痢は3週間以上続き、潰瘍性大腸炎やクローン病、過敏性腸症候群(IBS)が関係している場合があります。長引く腹痛や体重減少を伴うことが多く、医師の診断と治療が必要です。

ストレス性の下痢

ストレスが原因で腸の動きが乱れることがあります。不安な状況や緊張が症状を悪化させることが特徴で、過敏性腸症候群(IBS)との関連も見られます。

食中毒による下痢

食中毒が原因の場合、細菌やウイルス、寄生虫による感染が主な原因です。腹痛や嘔吐、発熱を伴い、生肉や加工食品の摂取後に発症することがあります。

下痢の症状と受診の目安

  • 水っぽい便: 腸が水分を十分に吸収できないことが原因で、脱水症状を引き起こすことがあります。
  • 腹痛を伴う場合: 腸の炎症や感染症が考えられます。特に右下腹部の強い痛みは虫垂炎の可能性があるため、すぐに受診しましょう。
  • 便秘との関連: 下痢と便秘が交互に起こる場合は、過敏性腸症候群(IBS)腸閉塞の初期症状が疑われます。

受診が必要なサイン

  • 血便や黒色便が出る
  • 発熱を伴う
  • 1週間以上下痢が続く
  • 強い脱水症状(口の渇き、倦怠感、めまいなど)

下痢を改善するための対処法

軽度の下痢であれば、消化に優しい食事を心がけましょう。お粥やスープ、バナナなど腸に負担をかけない食品を少量ずつ摂取してください。

脱水症状を防ぐため、経口補水液やスポーツドリンクでこまめに水分補給を行います。

症状が長引く場合や重症の場合は、医療機関を受診し、原因に応じた治療を受けることが必要です。抗生物質や整腸剤などが処方される場合もあります。

慢性下痢の注意点

  • 過敏性腸症候群(IBS): ストレスが主な誘因となるため、ストレス管理や低FODMAP食の導入が効果的です。
  • 炎症性腸疾患: 潰瘍性大腸炎やクローン病が関与している場合、定期的な検査と治療が重要です。
  • 大腸がんの可能性: 慢性的な下痢や血便が続く場合は、大腸がんの早期発見のため、内視鏡検査を受けましょう。

生活習慣と下痢の予防

消化に優しい食品を選び、脂肪分や刺激物を控えることが大切です。ウォーキングなど腸の動きを促す適度な運動が有効ですが、激しい運動は避けましょう。また、瞑想やリラクゼーション、趣味を取り入れてストレスを軽減してください。脱水を防ぐために、こまめな水分補給を心がけましょう。

※下痢については経過が大切です。これまで普通であったが、数か月前から下痢が続く場合は検査が必要と思われます。若い方では潰瘍性大腸炎やクローン病等の炎症性腸疾患の可能性がありますし、ご高齢の方であれば大腸がんの可能性もあります。(大腸がんで細くなった部分を便が通るので、少量の下痢が続く場合があります)

たなか内科クリニック 078-935-1181 ホームページ