- 2025年10月15日
血便が出たら要注意！便の色（赤色・黒色）で分かる危険なサインと対処法
便に血が混じっているのを発見すると、誰でも強い不安を感じるものです。血便や下血は、消化管のどこかで出血が起きている、体からの重要なSOSサインです。
しかし、一口に「血便」といっても、その色や状態によって、出血している場所（食道、胃、大腸など）や、潜んでいる病気の危険性が大きく異なります。
明石市大久保にある消化器内科専門の「たなか内科クリニック」が、血便の色ごとの危険性と、不安を安心に変えるための適切な対応についてお伝えします。
１. 便の色で判別する出血源と潜む疾患
便に混じる血液の色は、肛門から出血源までの距離と、血液が胃酸や腸液に触れて酸化した時間によって変化します。
真っ黒な血（タール便）：上部消化管からの緊急サイン
コールタールのように黒く、粘り気のある便は「タール便」と呼ばれ、胃や十二指腸、食道などの上部消化管からの出血を示唆しています。血液中の鉄分が胃酸と混ざり合って酸化することで、この黒い色になります。
疑われる主な疾患
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍: 粘膜が深く傷つき、出血を伴うことがあります。
- 胃がん: 進行したがんからの出血でタール便が出ることがあります。特に進行したがんやスキルス胃がんでも吐血や黒色便の症状が現れることがあります。
- 食道がん: 進行したがんから出血することがあります。
- 逆流性食道炎：ご高齢の方で寝ている時間が長い場合は、胃酸の逆流により出血することがあります。
対応の目安
タール便を確認した場合、速やかに消化器内科を受診してください。貧血治療の鉄剤を内服している場合を除き、胃潰瘍や胃がんなどの重篤な出血性疾患の可能性があります。
鮮やかな赤い血（鮮血便）：大腸・肛門からのサイン
便器の水やトイレットペーパーに付くような、鮮やかな赤い血が見られる場合、肛門や大腸の下部（直腸）など、肛門に近い場所からの出血が考えられます。
疑われる主な疾患
- 痔（痔核・裂肛）: 便が硬い時のいきみで肛門が切れたり、痔が傷ついたりして出血します。
- 大腸ポリープ: ポリープが便とこすれて出血することがあります。ポリープは切除することで、将来の大腸がん予防につながります。
- 大腸がん: 進行したがんからの出血で血便が出ることがあります。
- 炎症性腸疾患: 潰瘍性大腸炎やクローン病など、消化管の炎症により出血し、粘液が混ざることもあります。
- 虚血性腸炎: 大腸への血流が悪くなることで炎症を起こし、出血します。
黒っぽい赤、暗い赤の血（暗赤色便）：小腸・大腸上部からのサイン
便全体が黒っぽい赤色をしている場合、大腸の上部や小腸からの出血が考えられます。血液が腸内を通過する間に酸化して色が変化したものです。
- 考えられる原因: 進行した大腸がん、大腸憩室出血などが挙げられます。
２. 「痔」と決めつけるのは危険です
「鮮血便＝痔」というイメージから、自己判断で放置してしまう患者様が多くいらっしゃいます。しかし、これは非常に危険な行為です。
痔がある方でも、同時に大腸がんや大腸ポリープなどの別の病気を発症している可能性は十分にあります。大腸がんは、早期には自覚症状がほとんどなく、血便として症状が現れたときには、既に進行しているケースも少なくありません。
たとえ一度きりの血便であっても、安易に考えず、必ず消化器内科を受診し、原因を正確に特定することが大切です。
３. 血便・下血があったら「たなか内科クリニック」へご相談ください
当院はJR大久保駅北口から徒歩すぐの場所にある消化器内科クリニックとして、患者様の苦痛を最小限に抑えた内視鏡検査に特に力を入れています。
血便や下血があった場合、出血している場所や原因を正確に特定するため、内視鏡検査が非常に重要となります。
適切な検査の選択
黒色便（タール便）が疑われる場合：胃カメラ
胃カメラ（上部消化管内視鏡検査）を行い、食道、胃、十二指腸からの出血源を調べます。胃がんや胃潰瘍など、上部消化管の病変を直接観察し、必要に応じて検査中に止血処置を行うことも可能です。
- 胃カメラの工夫: 当院では、ご希望に応じて鎮静剤（眠って楽に受けられる麻酔）や、嘔吐反射の少ない経鼻内視鏡にも対応しています。
赤色便（鮮血便・暗赤色便）が疑われる場合：大腸カメラ
大腸カメラ（大腸内視鏡検査）を行い、大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患（潰瘍性大腸炎、クローン病）、憩室出血などの有無を調べます。
- ポリープ切除: ポリープが見つかった場合、ほとんどの場合はその場で日帰り切除が可能です。これにより、がんへの進行を未然に防ぎます。
- 検査の負担軽減: 当院では鎮静剤の使用や炭酸ガス送気を行い、患者様の苦痛を軽減しています。
4.ご来院いただく前の準備
便の状態は、日々の健康状態を知る重要なサインです。もし「血便かな？」と思ったら、流す前にスマートフォンのカメラで写真を撮っておくことも、医師の診断の助けになります。
また、出血以外にも、長引く腹痛や下痢・便秘、原因不明の体重減少、貧血など、心配なサインがある場合は、自己判断せずに早めに当院にご相談ください。
患者様一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診療と、苦痛の少ない内視鏡検査を通じて、皆様の健康維持に貢献いたします。
ご予約はお電話またはWEBからいつでも承っております。JR「大久保」駅北口すぐです。
おしりから出血を認めた場合は、とても不安な気持ちになると思います。
痔を含め肛門付近からの出血が多いですが、中には他の病気の事もあります。
当院の場合、貧血の状況・年齢・症状等を含め、お薬のみで経過を見るか、大腸カメラを行うか相談しております。