• 2025年1月28日
  • 2025年1月30日

大腸ポリープ

大腸ポリープとは?

大腸ポリープは、大腸の内側にできる小さな塊のことです。その多くは良性ですが、時間がたつとがんになる可能性があります。特に腺腫性ポリープはがんの前段階になることがあるため、早期発見と治療が大切です。

大腸ポリープの種類は?

  • 腺腫・早期がん:通常切除の対象となります。ポリープ表面の血管の状態で診断可能。
  • 過形成性ポリープ:直腸の過形成性ポリープは経過観察で良いが、盲腸など奥にできた過形成性ポリープは腺腫との混在があるため切除する場合があります。
  • 若年性ポリープ:良性であるが出血の原因にもなるため切除する場合が多い
  • ポリポーシス:多数ポリープができる総称、家族性腺腫性ポリポーシス等の遺伝性の物もあります。定期的な検査・治療が必要となります。

どのような人にできやすいのか?

  • 加齢: 50歳以上で増えやすいですが、若い人でも見つかることがあります。
  • 遺伝: 家族に大腸ポリープやがんがあるとリスクが高まります。
  • 生活習慣: 高脂肪・低繊維の食事や、タバコ、アルコール、肥満が原因になることがあります。
  • 便秘や腸の病気: 慢性的な便秘や炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)がリスクを高めます。

大腸ポリープがあるとどのような症状が出るのか?

  • 便の異常: 血が混じる、黒っぽい便、便が細くなるなど。
  • 排便の変化: 下痢や便秘が続く、排便時の違和感。
  • 痛みや出血: 大きなポリープが腸を刺激すると、腹痛や出血が起こることも。

多くの場合、無症状で進行するため、定期検査が重要です。

どのように検査や診断をするのか?

大腸ポリープの検査には、まず大腸カメラ(下部内視鏡検査)が用いられます。この検査では、肛門からカメラ付きの管を挿入し、大腸全体を観察します。検査前に腸をきれいにするための準備が必要ですが、ポリープが見つかった場合は、その場で切除や組織検査を行えるのが大きな利点です。また、簡易検査として便潜血検査もあります。便に目に見えない血液が混ざっていないかを調べる方法で、陽性の場合はさらに詳しいを受けることが勧められます。

治療とその後のケアについて

治療の主な方法はポリープの切除です。小さなポリープはワイヤーを使って簡単に取り除きますが、大きなポリープや平らな形状のものは粘膜の深い層ごと切除することがあります。

切除後は再発を防ぐため、1~2年後の定期的な大腸カメラ(下部内視鏡検査)が重要です。また、術後は腸に負担をかけないよう、消化に優しい食事を心がけ、刺激物やアルコールを控えることが推奨されます。

大腸ポリープを予防するには?

予防には生活習慣の改善が効果的です。食物繊維を多く含む野菜や果物、全粒穀物を積極的に取り入れることで腸内環境を整えることができます。また、適度な運動を行うことで便通を改善し、腸への負担を減らすことができます。

さらに、喫煙や過度の飲酒は避け、バランスの取れた生活を送ることが大切です。家族にポリープやがんの患者がいる場合は、定期的な検査を受けて早期発見に努めましょう。

大腸ポリープは早期には症状が出にくいものの、放置するとがん化するリスクがあります。定期検診を欠かさず受け、健康的な生活を心がけることで、将来のリスクを大幅に減らすことができます。腸の健康を守るために、気になることがあれば専門医に相談してみましょう。
※定期検査を受け、必要時にポリープの治療を行っていれば大腸がんは予防できると考えます。

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