• 2026年6月2日

脂質異常症の改善を目指すには|コレステロールを下げる食事・運動・治療の実際

こんにちは。明石市のJR大久保駅北口すぐにある「たなか内科クリニック」です。

健康診断でLDLコレステロールや中性脂肪が高いと指摘され、不安に思われている方は少なくありません。脂質異常症は、適切な治療と生活習慣の見直しによって、しっかりと数値をコントロールできる疾患です。今回は、脂質異常症の改善に向けた実際の治療アプローチや、具体的な生活習慣の工夫について詳しく解説します。

脂質異常症の改善とはどういう状態か:診断基準と目標値の理解

脂質異常症の診断基準は以下の通りです(日本動脈硬化学会の基準)。

・LDLコレステロール(悪玉):140 mg/dL以上で高LDLコレステロール血症

・HDLコレステロール(善玉):40 mg/dL未満で低HDLコレステロール血症

・中性脂肪(トリグリセリド):150 mg/dL以上で高トリグリセライド(中性脂肪)血症

治療のゴールは、病気が「完全に消えてなくなる」ことではなく、これらの数値が患者様お一人おひとりの「治療目標値内」に収まり、継続して安定維持できている状態です。

治療目標値は、患者様の心臓病・脳血管疾患のリスクによって異なります。例えば、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)を既に発症している方や、糖尿病・高血圧などを合併している高リスクの方は、LDLを100 mg/dL未満(または70 mg/dL未満)まで厳格に下げる必要があります。数値が基準値内に落ち着いても、自己判断で通院やお薬をやめてはいけないケースが多く存在します。

また、遺伝的にLDLが高くなる「家族性高コレステロール血症(FH)」の方は、生活習慣の改善のみでは正常化が困難であり、医療機関での治療が必須です。FHはアキレス腱の肥厚などの身体所見を伴うことがあります。

食事改善でコレステロールや中性脂肪をコントロールするポイント

食事による脂質改善効果は確実に存在します。飽和脂肪酸の摂取量を総エネルギーの7%未満にすることで、LDLコレステロールを約10〜15%下げられるとされています。具体的に以下のような工夫が効果的です。

【飽和脂肪酸を減らす】

牛・豚の霜降り肉・バター・ラード・生クリーム・チーズ・加工肉(ソーセージ・ベーコン)に多く含まれる飽和脂肪酸は、LDLを上げる最大の食事因子です。これらを魚・大豆製品・鶏むね肉(皮なし)に置き換えることが効果的です。

【トランス脂肪酸を避ける】

マーガリン・ショートニングに含まれるトランス脂肪酸は、LDLを上げ、HDLを下げる脂質です。市販の洋菓子・クッキー・スナック菓子に多く含まれているため注意が必要です。

【食物繊維を増やす】

オートミール・大麦・玄米・野菜・豆類・きのこ・海藻に含まれる水溶性食物繊維は、腸でコレステロールを吸着して体外に排出する働きがあります。1日の食物繊維摂取目標は男性21g以上・女性18g以上ですが、脂質異常症がある場合はさらに積極的に摂取することが推奨されます。

【オメガ3脂肪酸を積極摂取】

サバ・サンマ・イワシ・マグロ(脂身)などの青魚に含まれるEPA・DHAは、中性脂肪を低下させ、HDLを増加させる効果があります。週3〜4回の青魚摂取が理想とされています。

■運動でHDL(善玉コレステロール)を高める効果

有酸素運動はHDL(善玉コレステロール)を増加させる効果が証明されています。週に150分以上(例:1日30分を週5日)の中等強度有酸素運動(ウォーキング・水泳・軽いジョギング・サイクリングなど)を継続することで、HDLが上昇することが複数の研究で示されています。

運動によるLDLの直接的な低下効果は食事改善に比べて小さいですが、内臓脂肪の減少を介して中性脂肪の低下に有効です。また、体重が1 kg減少するごとにLDLが約0.8 mg/dL低下するとも言われており、運動による体重管理も重要です。

筋力トレーニングは基礎代謝を上げて脂質代謝を改善し、有酸素運動と組み合わせることで相乗効果が期待できます。特に中性脂肪が高い方は、食後の軽い有酸素運動が血中脂肪を消費するのに効果的です。

薬を使った治療の実際:期待できる効果と注意点

生活習慣の改善だけでは目標値に達しない場合、または心血管リスクが高い場合はお薬による治療が必要です。LDLを下げる薬として最も広く使われているのが「スタチン系薬」と呼ばれるお薬です。

スタチン系薬はLDLコレステロールを30〜50%低下させる強力な効果を持ち、冠動脈疾患の発症リスクを低下させることが大規模臨床試験で証明されています。

主な副作用として注意が必要なのは、筋肉痛や筋力低下です。服用中に筋肉痛や足がつりやすい感覚が出た場合は、すぐに当院にご相談ください。また、服用中の定期的な肝機能や筋肉に関する血液検査が大切です。

「脂質異常症の薬は一生飲み続けなければならないの?」というご質問をよくいただきますが、生活習慣が十分に改善されて数値が継続的に安定した場合は、医師の判断のもとでお薬を減量・休薬できることもあります。自己判断でやめることは心筋梗塞などのリスクを高めるため、必ず主治医と相談しながら進めましょう。

明石市大久保のたなか内科クリニックでは、脂質異常症の管理・治療を丁寧に行っています。健康診断で数値の異常を指摘された方や、ご自身の生活習慣を見直したい方は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。

たなか内科クリニック 078-935-1181 ホームページ