- 2026年5月26日
【メディア関連情報】神戸新聞に掲載!ピロリ菌除菌後も胃カメラ検査が必要な理由

明石市大久保のたなか内科クリニック院長、田中敏雄です。
2026年5月25日発行の神戸新聞の健康コラム欄にて、私が「ピロリ菌と胃がんの関係性」について執筆した記事が掲載されました。
今回は、新聞記事の内容を少し掘り下げて、皆さまにぜひ知っておいていただきたい「ピロリ菌除菌後の胃がんリスク」についてお話しします。
■ピロリ菌は胃がんの最大の原因

胃へのピロリ菌感染が、胃がん発生の主な原因であることはご存知の方も多いと思います。ピロリ菌は主に幼少期に口から感染し、長期間を経て胃の中で慢性的な炎症(萎縮性胃炎)を引き起こします。
そして、胃の粘膜が腸の粘膜のように変化する「腸上皮化生」などを経て、遺伝子異常が重なることでがん化するといわれています。
近年は胃がん検診などでピロリ菌陽性を指摘され、1週間のお薬の内服で除菌治療をされる方が増えました。これは胃がん予防において非常に素晴らしいことです。
■注意したい「除菌後胃がん」のリスク

しかし、ここで注意していただきたいのが、「ピロリ菌の除菌をしたからといって、胃がんになるリスクが完全にゼロになるわけではない」ということです。
記事でも触れましたが、除菌治療後でも胃がんが発生することは報告されています。特に以下のような方はリスク因子とされています。
| ・男性の方 ・ご高齢の方 ・ピロリ菌による胃炎の程度が強かった方 ・過去に胃がんの治療歴がある方 |
■早期発見なら胃カメラで治療が可能

除菌後に発生する胃がんは、周囲の胃炎の形態と似ていることがあり、通常の胃がんと比較して胃カメラでの診断が難しいケースがあります。そのため、疑わしい場合は組織の一部を採取して病理検査を行うことも多くなります。
胃がんは早期に発見できれば、がんの部分だけを胃カメラで切除する治療が可能な場合が多く、入院期間も1週間程度で済みます。しかし、進行してしまった場合は、胃の3分の2から全部を切除する外科手術や、追加の抗がん剤治療が必要となってしまいます。
■しばらく胃カメラを受けていない方へ

ピロリ菌の治療後、数年以上が経過しても胃がんが発症するケースは報告されています。「除菌が終わったからもう安心」と油断せず、1年に1回は定期的に胃カメラ検査を受けることが、ご自身の胃を守る最も確実な方法です。
当院では、鎮静剤を使用し、ウトウトと眠っている間に終わる「苦痛の少ない胃カメラ検査」を行っております。
ピロリ菌の除菌歴がある方で、しばらく胃カメラを受けていない方は、ご自身の安心のためにもぜひ一度、たなか内科クリニックへご相談ください。