• 2026年9月25日

健診で指摘されても自覚症状がない?高血圧を放置してはいけない理由と仕組み

こんにちは。

明石市のJR大久保駅北口すぐ、たなか内科クリニック院長の田中敏雄です。

健康診断の結果を見て、「血圧が高め」という指摘に頭を悩ませている方は少なくありません。しかし、高血圧は頭痛や腹痛のように明確な自覚症状が出にくいため、つらいところがないから大丈夫とつい後回しにしてしまいがちです。

血圧とはそもそも何を意味する数値なのでしょうか。そして、なぜお酒や塩分の多い食事が体に影響を与えるのでしょうか。今回は、知っているようで知らない血圧の基本の仕組みと、放置するリスクについて内科医の視点から分かりやすく解説いたします。

■1. 血圧とは何の数値?決まる仕組み

血圧とは、血液が血管の壁を押す力のことです。心臓というポンプが全身に血液を送り出すときに、血管というホースの内側に生じる圧力を数値化しています。

健診などでは、心臓がぎゅっと縮んで血液を送り出した瞬間の圧力である 上(収縮期血圧) と、心臓が広がって血液をため込んでいる間の圧力である 下(拡張期血圧) の2つの数値を計測します。

この血圧の数値は、主に以下の2つの要素の掛け合わせによって決まります。

・心拍出量:心臓が1分間に送り出す血液の量(心臓の出す力や心拍数)

・末梢血管抵抗:血管のかたさや細さ(血管が収縮して細くなったり、かたくなったりすると血液が流れにくくなり、抵抗が増して血圧が上がります)

■2. 1回測っただけで一喜一憂しなくてよい理由

血圧の一般的な基準値は、上の血圧が129mmHg以下、下の血圧が79mmHg以下とされています。ただし、個々の目標値は年齢や糖尿病などの持病の有無によって一人ひとり異なります。

また、血圧は常に一定ではなく、私たちの行動や感情に合わせて絶えず変動しています。ちょっと動いた後はもちろん、話をしたり、トイレでいきんだりするだけでも数値は大きく跳ね上がります。病院の独特な雰囲気に緊張して高くなる方もいらっしゃいます。

そのため、健康診断や診察室で一度高い数値が出たからといって、すぐに高血圧症だと診断されるわけではありません。大切なのは、日常的にリラックスした状態で測った数字の平均値を見る姿勢です。

【正しい血圧の測り方】

少しでも不安のある方は、ご自宅での血圧測定を習慣にしてみるのがおすすめです。毎日朝起きてトイレを済ませた後、椅子に座って数分間リラックスした安静時に計測するのが正しい測り方です。

■3. 全身の血管をむしばむ、放っておけないリスク

高血圧の本当の恐ろしさは、高い圧力がかかり続けることで全身の血管が少しずつダメージを受け、動脈硬化が進行していく点にあります。これが原因で、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血といった命に関わる病気を引き起こすことは広く知られています。

しかし、影響は心臓や脳の大きな血管だけにとどまりません。血管は全身に張り巡らされているため、以下のような多彩な病気のリスクも高まります。

・腎臓の病気:血液をろ過する腎臓の細い血管が傷つき、機能が低下します。
・目の病気(視力低下):目の網膜にある微細な血管がダメージを受け、最悪の場合は失明に至ることもあります。
・お腹の病気(腹痛・血便):ご高齢の方に比較的多いのですが、高血圧によって腸に十分な血液が行き届かなくなり、激しい腹痛や血便を引き起こすケースがあります。

■4. なぜ塩分やお酒が血圧を上げるのか

高血圧を招く背景には、遺伝的な要因だけでなく、肥満、ストレス、睡眠不足、運動不足、塩分の摂り過ぎ、飲酒、喫煙、寒暖差といった日々の生活習慣や環境が深く関わっています。

【塩分の摂り過ぎ】

塩分を摂り過ぎて血液中のナトリウム濃度が高くなると、体はその濃度を一定に保とうとして血液中の水分量を増やします。水分が増えれば循環する血液の全体量が増えるため、ホースにあたる血管への圧力が強くなり、血圧が上昇します。さらに、腎臓も塩分濃度を感知してホルモンを介して血圧を上げる仕組みを働かせます。

【お酒の飲み過ぎ・肥満・ストレス】

これらは共通して、体を興奮させる交感神経を優位にします。交感神経が刺激されると、心拍数が増えたり血管が収縮して細くなったりするため、血圧が上がります。特にお酒は、塩分の高いおつまみを一緒に摂り過ぎてしまう点でも注意が必要です。

■まとめ:生活習慣の見直しで数値は確実に変わります

自覚症状がない高血圧ですが、裏を返せば、生活習慣を見直すことで確実に数値をコントロールできる病気でもあります。血圧は正しく対処すれば、数日から数週間という比較的早い段階で結果が数字に現れてきます。

健康診断で血圧の高さを指摘されたことを、これまでの生活習慣を振り返る良いきっかけにしていきましょう。ご自身の適正な血圧の目標値を知りたい方や、日頃の食事・運動についてアドバイスが欲しい方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。皆様の健康な未来をしっかりとサポートいたします。

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