- 2026年6月2日
ピロリ菌除菌の副作用|下痢・吐き気・味覚異常の対処法と受診のタイミング

こんにちは。明石市のJR大久保駅北口すぐにある「たなか内科クリニック」です。
ピロリ菌の除菌治療は、抗菌薬を7日間飲み続ける必要がありますが、「副作用が不安で…」「飲み始めたら体調が悪くなった」というお声をよくいただきます。除菌薬には一定の割合で副作用が現れますが、適切な対処法を知っておくことで、治療を最後まで続けることができます。今回は、除菌薬の副作用とその対処法について詳しく解説します。
■ピロリ菌除菌薬の主な副作用一覧

ピロリ菌除菌治療(プロトンポンプ阻害薬+アモキシシリン+クラリスロマイシンの3剤)を7日間服用した際に報告されている主な副作用は以下の通りです。
【消化器系の副作用(最も頻度が高い)】
軟便・下痢:10〜20%程度の方に起こります。クラリスロマイシンの胃腸運動促進作用と腸内細菌叢の乱れが主な原因です。吐き気・胃部不快感・食欲低下:5〜15%程度の方に起こります。食後に服用し、胃に食べ物がある状態で薬を服用することで軽減できます。腹部膨満感・おなかの張り:抗菌薬による腸内ガスの変化で起こることがあります。
【味覚・口腔内の副作用】
味覚異常(口の苦み・金属味・食べ物の味が変わる):クラリスロマイシン(マクロライド系抗菌薬)に特有の副作用で、3〜10%程度の方に起こります。服用終了後に回復することが大半です。口内炎・口腔内の不快感:抗菌薬が腸内だけでなく口腔内細菌叢にも影響するために起こることがあります。
【アレルギー・皮膚の副作用】
皮膚発疹・蕁麻疹・かゆみ:アモキシシリン(ペニシリン系抗菌薬)によるアレルギー反応として起こることがあります。ペニシリンアレルギーの既往がある方は、必ず処方前に医師に申し出てください。アレルギー反応は服用開始後数日以内に現れることが多く、発疹が出た場合は服用を中断して医療機関に連絡してください。
■副作用が出た時の正しい対処法と服薬継続の判断基準

除菌治療の副作用対処で最も重要なことは「自己判断で服薬を中断しないこと」です。副作用が軽度の場合は服薬継続が原則で、途中でやめてしまうと除菌失敗になるだけでなく、薬剤耐性菌を生じさせるリスクもあります。
【軽度の副作用(服薬継続が原則)の対処法】
●下痢・軟便の場合:水分補給を徹底してください。整腸剤(ビオフェルミン・ミヤBM等)の併用は腸内細菌叢の乱れを補うのに有効です。院内で処方できますのでご相談ください。食物繊維が多い食品(玄米・ゴボウ等)は一時的に控え、消化の良いものを食べましょう。
●吐き気の場合:必ず食後に服用してください。空腹時の服用は吐き気を強くします。服用前に少量の食事を取ることが難しい場合でも、クラッカーや一口だけの食事を摂ってから服用すると症状が和らぎます。
●味覚異常の場合:味が変わることはありますが、健康には影響ありません。服用終了後に回復しますので、基本的にはそのまま7日間服用を続けていただきます。
【すぐに服薬を中断して受診すべき副作用】
●全身に広がる発疹・蕁麻疹・皮膚のかゆみ:アレルギー反応の可能性があります。
●顔・唇・舌・のどの腫れ(血管性浮腫):アナフィラキシーの可能性があり、緊急対応が必要です。
●高熱(38℃以上)が続く場合
●激しい腹痛・血性の下痢:偽膜性大腸炎(クロストリジウム・ディフィシル感染)の可能性があります。
■副作用を軽減する食事・生活の工夫

除菌薬の副作用を最小限にするために、食事や生活習慣の面でいくつかの工夫ができます。
●ヨーグルトや発酵食品を積極的に摂る:プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌)は抗菌薬で乱れた腸内細菌叢の回復を助けます。除菌薬服用中にヨーグルトを毎日摂取することで、下痢の頻度・程度が軽減されたという研究報告があります。プレーン・無糖のものが理想ですが、ビオフェルミン等の整腸剤との組み合わせも効果的です。
●アルコールを完全に避ける:前述の通り、飲酒は副作用を著しく悪化させます。
●消化の良い食事を心がける:脂っこいもの・辛いもの・揚げ物は避け、おかゆ・うどん・豆腐など消化の良いものを中心にしてください。
●十分な水分補給:下痢が続く場合の脱水を防ぐためにも、1日1.5〜2Lの水分摂取を意識してください。
■副作用が心配な方へ:二次除菌という選択肢

一次除菌(クラリスロマイシン使用)の成功率は70〜90%程度です。副作用が非常に強く服薬継続が困難な場合、または一次除菌が不成功だった場合は「二次除菌」を行います。
二次除菌では、クラリスロマイシンをメトロニダゾール(抗原虫薬)に変更した3剤を7日間服用します。一次除菌と二次除菌を合わせた総合成功率は95%以上とされており、ほとんどの方で除菌が達成できます。なお、二次除菌でも副作用は起こり得ますが、薬の種類が変わることでアレルギーや消化器症状が改善するケースもあります。
「副作用が心配だから除菌治療をためらっている」という方も、まずは一度当院にご相談ください。服薬開始前に副作用のリスクを十分にご説明した上で、副作用が出た際の対処法もあらかじめお伝えします。明石市大久保のたなか内科クリニックでは、患者様が安心して治療を受けられるよう、きめ細かなサポートを行っています。