• 2025年1月28日
  • 2025年1月30日

体重減少とは?見過ごせない身体からのサイン

体重の減少は健康的に見えることもありますが、意図せず急激に体重が落ちる場合、体が異常を訴えている可能性があります。ここでは、体重減少の原因や対策についてわかりやすく説明します。

体重減少の主な原因

病気の可能性

胃がん大腸がんクローン病潰瘍性大腸炎などの消化器系疾患が原因となる場合があります。また、糖尿病甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの代謝や内分泌の異常も関与します。これらの疾患により栄養の吸収が阻害され、体重減少が進行します。

ストレスと心理的要因

強いストレスうつ病摂食障害(神経性食欲不振症)は、食欲低下や消化機能の低下を引き起こし、体重が減少することがあります。

注意すべき体重減少の症状

・食欲低下:胃腸の不調や精神的ストレスが関与している可能性があります。
・慢性疲労や倦怠感:栄養不足によるエネルギー低下が原因となることがあります。
・腹痛や下痢:消化器疾患や感染症が関与している場合があります。
・発熱や寝汗:感染症や腫瘍による免疫反応の一環で現れることがあります。  

ダイエットによる体重減少のリスク

安全な減量目標は「1か月に体重の2〜3%以内」が適切とされています。急激な減量は、栄養不足や筋肉量の低下、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、健康に深刻な影響を与える可能性があります。

疾患が原因の場合の体重減少

  • 糖尿病:エネルギー源として脂肪や筋肉が分解されることで体重が減少します。
  • 胃・十二指腸潰瘍:痛みや不快感による食欲低下が体重減少の原因となります。
  • 炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎):腸の炎症により栄養吸収が妨げられます。

高齢者の体重減少(フレイル)

高齢者に特有の虚弱状態である「フレイル」は、筋力低下や免疫力低下を伴い、体重減少が進行します。栄養バランスの取れた食事や軽い運動で予防が可能です。

体重減少の原因を調べる検査

内視鏡検査

  • 胃や大腸の状態を直接確認し、腫瘍や炎症を発見します。

血液検査

  • 栄養状態や炎症の有無、甲状腺ホルモンの異常を調べます。

画像診断

  • CTやMRIで内臓の異常を詳しく評価します。

健康的な体重管理のポイント

  • バランスの良い食事:タンパク質、野菜、炭水化物を適切に摂取する。
  • 適度な運動:筋力を維持し、基礎代謝を高める。
  • ストレスケア:リラクゼーションや趣味を取り入れ、自律神経を整える。

体重減少は、病気やストレス、ダイエットの影響などさまざまな原因で起こります。特に意図しない体重減少や急激な減少が見られる場合は、早めに医療機関での検査を受けることが大切です。適切な生活習慣を心がけながら、健康的な体重管理を目指しましょう。
※体重減少については過度なダイエットなどが無い場合、ご高齢の方以外では、がんに代表される悪性疾患の除外が必要となります。患者さんの状況に応じて負担の少ない検査から原因を調べることが多いです。検査で異常がなければ再度生活習慣の見直しを行いながら経過観察を行います。

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