- 2026年8月20日
脂質異常症で食べてはいけないものと食べていいもの一覧|コレステロール管理の食事法

こんにちは。
明石市のJR大久保駅北口すぐ「たなか内科クリニック」院長の田中敏雄です。
「健康診断でLDLコレステロールが高いと言われた」
「中性脂肪の値が基準をオーバーしていた」
「先生に食事を改善するよう言われたけど、何をどう変えればいいのかわからない」
このような経験はありませんか?
脂質異常症は自覚症状がほとんどないため、「数値が少し高いだけだから」と放置されがちな病気です。しかし、治療せずに放置すると動脈硬化が進行し、将来的に心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。今日は脂質異常症の食事療法について、「食べてはいけないもの」と「積極的に食べていいもの」をわかりやすく解説します。
■脂質異常症とは?

LDL・HDL・中性脂肪の基準値
脂質異常症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)のバランスが乱れた状態です。以下のいずれかに該当する場合、脂質異常症と診断されます。
| 項目 | 異常の基準 |
| LDLコレステロール(悪玉) | 140 mg/dL以上(高LDL血症) |
| HDLコレステロール(善玉) | 40 mg/dL未満(低HDL血症) |
| 中性脂肪(トリグリセリド) | 150 mg/dL以上(高トリグリセリド血症) |
- LDLコレステロール(悪玉):動脈の壁にたまりやすく、動脈硬化の原因になります
- HDLコレステロール(善玉):血管に沈着したコレステロールを回収し、動脈硬化を防ぎます
- 中性脂肪(トリグリセリド):エネルギーの貯蔵形態ですが、多すぎると動脈硬化を促進します
放置すると動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中のリスク
脂質異常症を放置すると、血管が老化・硬化し、心筋梗塞・脳卒中の発症リスクが数倍に上昇します。
動脈硬化は10〜20年かけてゆっくり進行するため、気づいたときには血管が深刻にダメージを受けていることがあります。自覚症状がないうちから生活習慣を改善し、必要に応じて薬物療法を行うことが大切です。
■食べてはいけないもの一覧

LDLコレステロールを上げる食品
LDLコレステロールを上昇させる主な原因は「飽和脂肪酸」と「トランス脂肪酸」の過剰摂取です。
飽和脂肪酸が多い食品(控えるべきもの): – バター・ラード・牛脂 – 牛・豚の脂身(バラ肉・ロース肉の脂) – 鶏の皮 – 内臓類(レバー・モツ・心臓)※コレステロールも非常に多い – 生クリーム・全脂乳・チーズ(大量摂取) – 菓子パン・クロワッサン・デニッシュ(バター・マーガリン多用) – ファストフード(フライドチキン・ハンバーガーなど) – インスタントラーメン・カップ麺(植物性油脂多量)
コレステロールが特に多い食品(食べすぎに注意): – 卵黄(1個で約230mg)※卵は1日1個程度が目安 – たらこ・いくら・魚卵類 – エビ・イカ(食べすぎに注意)
中性脂肪を上げる食品
中性脂肪は糖質・アルコールの過剰摂取によって特に上昇します。
中性脂肪を上げる食品(控えるべきもの): – 砂糖・砂糖を多く含む菓子・ケーキ・チョコレート – 清涼飲料水・スポーツドリンク・果汁100%ジュース(果糖が多い) – 白米・食パン・うどん・パスタの食べすぎ(精製炭水化物) – アルコール全般(特にビール・日本酒・甘い酒類) – 蜂蜜・果物の食べすぎ(果糖)
「ヘルシーそう」な果汁100%ジュースにも果糖が多く含まれており、中性脂肪を上げる原因になります。
■積極的に食べていいもの一覧

青魚(EPA・DHA)
サバ・イワシ・サンマ・アジ・マグロ(特にトロ)などの青魚に豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、中性脂肪を低下させ、HDLコレステロールを増やす効果があります。週3回以上の青魚摂取を目標にしましょう。缶詰(サバ缶・イワシ缶)でも十分な効果が得られます。
食物繊維が豊富な食品

食物繊維は腸内でコレステロールと結合して体外へ排出する働きがあります。
- 野菜類:ほうれん草・小松菜・ブロッコリー・キャベツ・にんじん・ごぼうなど
- きのこ類:しいたけ・えのき・なめこ・まいたけなど(β-グルカンがコレステロール低下に有効)
- 海藻類:わかめ・ひじき・めかぶ・もずくなど
- 大豆製品:豆腐・納豆・豆乳・おから(大豆イソフラボンがLDLを低下させます)
1日の食物繊維の目標量は成人で20〜25g。野菜350g・きのこ・海藻をバランスよく摂りましょう。
オリーブオイル(オレイン酸)

オリーブオイルに豊富なオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)は、LDLコレステロールを下げながらHDLコレステロールは下げない作用があります。バターやサラダ油の代わりにエクストラバージンオリーブオイルを使いましょう。
緑茶

緑茶に含まれるカテキンには、腸内でのコレステロール吸収を抑制し、LDLコレステロールを低下させる効果があります。1日3〜5杯程度の緑茶摂取を習慣にすることをお勧めします。ただし、砂糖入りのペットボトル緑茶は砂糖の摂りすぎになるため、急須で入れた緑茶が理想的です。
■調理法の工夫

食材だけでなく、調理法を変えることも脂質管理に有効です。
- 揚げる→焼く・蒸す・茹でる・電子レンジに変える:揚げることで食品の脂質量が大幅に増えます
- 肉の脂を落とす:豚肉・鶏肉は下茹でしてから調理すると脂が落ちます
- 油は計量スプーンで量る:「適量」はいつの間にか多くなりがちです。1人前の炒め物の油は小さじ1〜2が目安です
- ドレッシングはかけすぎない:市販のドレッシングには脂質・塩分が多いものが多いです。ポン酢・レモン汁・少量のオリーブオイルに変えましょう
■食事だけで改善できる?薬との併用

食事改善+運動が基本
脂質異常症の治療の基本は、食事改善と運動療法です。有酸素運動(ウォーキング・水泳・自転車など)を週150分以上行うことで、HDLコレステロールが上昇し、中性脂肪が低下します。
改善しない場合はスタチン系薬

食事・運動療法を3〜6ヶ月継続しても目標値に到達しない場合、または動脈硬化のリスクが高い場合は、薬物療法を開始します。
スタチン系薬はLDLコレステロールを強力に低下させ、心筋梗塞・脳卒中の予防効果が確立されています。
「薬を飲み始めたら一生やめられない」と心配される方もいらっしゃいますが、生活習慣の改善によって薬の量を減らしたり、中止できるケースもあります。まずはご相談ください。
■さいごに

健康診断でコレステロールや中性脂肪の異常を指摘されたら、まず生活習慣の見直しから始めましょう。「何をどう変えればいいかわからない」という方も、当院では丁寧に食事指導・運動指導を行っています。血液検査で脂質の状態を定期的に確認しながら、一緒に健康な血管を守っていきましょう。