- 2026年8月21日
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種を開始しました!対象年齢・スケジュール・費用について

こんにちは。
明石市のJR大久保駅北口すぐ、たなか内科クリニック院長の田中敏雄です。
このたび当院でもHPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の接種を正式に行えるようになりました。
HPVワクチンは、若い女性に多く見られる子宮頸がんを予防するために非常に重要なワクチンです。しかし、「接種のタイミングはいつがいいの?」「費用はどのくらいかかるの?」「副反応が心配…」と疑問や不安をお持ちの方も多いかと思います。
今回は、HPVワクチンについて、効果・対象年齢・接種スケジュール・費用・副反応・キャッチアップ接種まで、できるだけ詳しくわかりやすくご説明します。ぜひ最後までお読みください。
■ 子宮頸がんとは? ~若い世代も他人事ではありません~

子宮頸がんの現状
子宮頸がんは、子宮の出口(頸部)にできるがんです。日本では毎年約1万人の女性がかかり、約3,000人が命を落としています。特に注目すべきは、20〜40代の比較的若い世代に多いがんであるという点です。
また、30歳代までに子宮を失う(妊娠できなくなる)治療を余儀なくされる方が、1年間に約1,000人いらっしゃいます。将来お子さんを望んでいる方にとっても、決して無視できない疾患です。
子宮頸がんの原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)
子宮頸がんの最大の原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)への感染です。HPVは性交渉などを通じて感染するウイルスで、女性の多くが生涯に一度は感染するといわれています。
感染しても、多くの場合は免疫の働きでウイルスが自然に消えます。しかし、一部の方では感染が長く続き(持続感染)、数年〜数十年かけてがんへと進行してしまうことがあります。
HPVには200種類以上の型がありますが、そのうち16型・18型が子宮頸がんの原因として特に危険とされており、全体の原因の約60〜70%を占めています。
■ HPVワクチン(シルガード9)とは?

現在公費で接種できるのは「9価HPVワクチン(シルガード9)」
以前は2価・4価のワクチンが使われていましたが、令和5年(2023年)4月から、より予防効果の高い「9価HPVワクチン(シルガード9)」が定期接種の対象となりました。当院でもこのシルガード9を採用しています。
シルガード9で防げるHPVの型
| 予防できるHPVの型 | 関連する疾患 |
| 16型・18型 | 子宮頸がんの主な原因(約60〜70%) |
| 31型・33型・45型・52型・58型 | 子宮頸がんの原因(16・18型と合わせて約80〜90%) |
| 6型・11型 | 尖圭コンジローマ(性器のイボ)の主な原因 |
シルガード9は、従来のワクチンより多くの型のHPVを予防できるため、子宮頸がん全体の原因の約80〜90%を予防できると考えられています。
海外での効果実績
HPVワクチンは世界120か国以上で使用されており、特に早期にワクチン接種が進んだオーストラリアでは、若い世代の子宮頸がん発症率が大幅に低下しています。日本でも、接種が進むことで同様の効果が期待されています。
ワクチンを打っても検診は必要です

シルガード9はすべてのHPV感染を防ぐわけではありません。また、すでに感染しているHPVを排除する効果はありません。そのため、ワクチン接種後も定期的な子宮頸がん検診(細胞診)を受けることが大切です。
■ 定期接種(公費)の対象者・スケジュール

対象者
定期接種(公費)の対象は、小学校6年生〜高校1年生相当の女子です。明石市では接種券が発行され、費用の自己負担なしで接種を受けることができます。
接種回数は「何歳で始めるか」で変わります
シルガード9は、1回目の接種を15歳になるまでに受けるかどうかで、接種回数とスケジュールが異なります。
① 15歳未満(14歳以下)で1回目を受ける場合 = 2回接種
- 1回目:任意の日(中学1年生の時期が標準的)
- 2回目:1回目から6か月後(※1回目から5か月以上あける)
免疫応答が良好な若い時期に接種を開始することで、2回でも十分な免疫がつくことが確認されています。できるだけ中学1年生(12〜13歳)のうちに1回目を受けることが推奨されています。
② 15歳以上で1回目を受ける場合 = 3回接種
- 1回目:任意の日
- 2回目:1回目から2か月後(※1回目から1か月以上あける)
- 3回目:1回目から6か月後(※2回目から3か月以上あける)
完了までに通常6か月かかりますので、定期接種の対象期間(高校1年生相当まで)内に完了できるよう、早めにご相談ください。
■ 定期接種の対象外の方・自費接種について
定期接種の対象年齢(高校1年生相当)を過ぎてしまった場合や、男性の方がご希望の場合は、任意接種(自費診療)として対応しております。
費用
- 接種回数:全3回(15歳以上のため)
- 費用:1回あたり 約3万円 × 3回 = 合計約9万円
自費でも接種する意義
年齢が上がるにつれてHPVに感染している可能性は高まりますが、感染していない型のHPVに対しては年齢を問わずワクチンの予防効果が期待できます。「若い頃に受けそびれてしまった」「予防できるなら受けておきたい」という方は、ぜひご相談ください。
男性への接種について
HPVは女性だけでなく、男性にも感染し、肛門がん・中咽頭がん・陰茎がん・尖圭コンジローマなどの原因となることがわかっています。また、男性がワクチンを接種することで、パートナーへの感染を防ぐ効果も期待できます。現在、日本では男性への定期接種は行われていませんが、自費での接種は可能です。
■ 接種前に確認していただきたいこと

接種当日は、以下の点をご確認の上、ご来院ください。
- 体調が良好であること(発熱・体調不良時は接種を延期します)
- 過去にワクチン接種でアレルギー反応が出たことがないか
- 現在服用中のお薬があれば事前にお知らせください
- 接種当日は激しい運動を避けてください
- 定期接種の方は、接種券・予診票・母子健康手帳・健康保険証をお持ちください
■ 接種後の副反応について

よく見られる副反応
HPVワクチン接種後には、多くの方に以下のような症状が見られることがあります。これらは免疫がつく過程で生じる反応であり、通常は数日以内に改善します。
| 発生頻度 | 主な症状 |
| 50%以上 | 接種部位の疼痛(痛み) |
| 10〜50%未満 | 腫脹(腫れ)、紅斑(赤み)、頭痛 |
| 1〜10%未満 | 浮動性めまい、悪心(吐き気)、発熱、疲労感など |
| 1%未満 | 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感など |
失神に注意してください
注射の痛みや緊張をきっかけとして、一時的に失神することがあります。接種後15分から30分程度は院内でイスに座ってお待ちいただき、体調を確認してからお帰りください。
まれに起こる重篤な副反応
非常にまれですが、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎などが報告されています。当院では接種後の経過観察をしっかり行い、万が一の場合にも適切に対応できる体制を整えています。
積極的勧奨の再開について
HPVワクチンは平成25年(2013年)から約8年間、積極的勧奨が差し控えられていました。その後、令和3年(2021年)11月に専門家の会議で安全性に特段の懸念がないことが改めて確認され、「接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回る」と判断されたことから、令和4年(2022年)4月より積極的勧奨が再開されています。
接種後に体調の変化があった場合は、まず当院までご相談ください。必要に応じて、HPVワクチン接種后的症状を専門的に診療する協力医療機関もご紹介できます。
■ 当院でのご予約・お問い合わせ方法

HPVワクチンの接種をご希望の方は、お電話またはWEB予約にてご予約をお取りください。
「どのワクチンが自分に合うか」
「接種スケジュールを相談したい」
「費用について詳しく知りたい」
どんなことでもお気軽にご相談いただければと思います。
お子さんの接種だけでなく、「大人になってから予防したい」という方のご相談も歓迎しております。
■ さいごに

HPVワクチンは、将来の子宮頸がんリスクを大きく下げる可能性を持つ、科学的に効果が認められたワクチンです。特に、免疫がつきやすい若い時期に接種することが最も効果的とされています。
「まだ早いかな?」と思わず、対象年齢のうちに一度ご検討ください。また、年齢を過ぎてしまった方も、自費での接種という選択肢がございます。
当院では、患者様お一人おひとりの状況に合わせて、丁寧にご説明・ご対応いたします。明石市でHPVワクチンの接種をお考えの方は、ぜひたなか内科クリニックへご相談ください。