• 2026年10月1日

胃がんの初期症状は無自覚?胃カメラで早期発見する重要性とピロリ菌の関係

こんにちは。
明石市のJR大久保駅北口すぐ、たなか内科クリニック院長の田中敏雄です。

「最近、なんとなく胃の調子が悪い気がするけれど、がんじゃないよね?」と不安に思いつつも、忙しさや検査への恐怖心から受診を先延ばしにしていませんか? ニュースや医療番組などでも、医師が「胃がんの初期症状は無自覚なことがほとんど」と解説しているのを目にしたことがあるかもしれません。

今回は、見逃されやすい胃がんの症状や、最大の原因である「ピロリ菌」との関係、そして早期発見の鍵となる胃カメラ検査の重要性について、内科医の視点から詳しく解説いたします。

■1. 胃がんの初期症状は「ほぼゼロ」という怖さ

胃がんが恐ろしいのは、早期の段階ではほとんど自覚症状がないという点です。胃の粘膜の浅い部分にとどまっている「早期胃がん」は、痛みなどのサインを出さないため、症状がないうちに検査をしなければ見つけることが非常に困難です。

仮に症状があったとしても、「みぞおちの軽い不快感」や「なんとなく食欲がない」といった程度で、日常的な胃もたれや胃炎と区別がつきません。多くの方が「仕事の疲れのせい」「食べ過ぎのせいだろう」と見過ごしてしまいます。

逆に、「吐血した」「黒いタール状の便が出た」「急激に体重が減った」「激しい腹痛が続く」といった症状が出た場合は、すでにがんが進行している可能性が高く、一刻も早い受診が必要です。また、若い世代にも発症しやすく進行が非常に早い「スキルス胃がん」のようなタイプもあるため、「症状が出る前に胃カメラで見つける」ことが何よりも理想的です。

■2. 胃がんの最大の原因 ― ピロリ菌感染

日本における胃がんの原因の約99%は、「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」の感染に関連していると言われています。

ピロリ菌は、主に幼少期に口から感染して胃の中に棲みつき、胃粘膜に慢性的な炎症を引き起こす細菌です。この感染が長期間にわたって続くと、胃の粘膜が薄く痩せてしまう「萎縮性胃炎」となり、やがて腸の粘膜のように変化する「腸上皮化生」を経て、胃がんへと進展するリスクが跳ね上がります。

ピロリ菌に感染しているかどうかは、息を吹き込むだけの「尿素呼気試験」や血液検査などで簡単に調べることができます。感染が確認されれば、内服薬による除菌治療を行います。 しかし、ここで注意していただきたいのは、「除菌に成功しても、長年のダメージによる胃がんリスクがゼロになるわけではない」ということです。そのため、除菌治療後も定期的な胃カメラ検査を継続することが極めて重要になります。

■3. 早期発見の最強ツール「胃カメラ検査」

胃がんの早期発見において、最も有効かつ確実な検査が「胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)」です。口または鼻から細いスコープを挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察します。

胃カメラの優れた点は、バリウム検査では見逃されやすい粘膜の微細な色の変化やわずかな凹凸をリアルタイムで捉えられることです。早期の小さながんや前がん状態も発見しやすく、疑わしい部分があればその場で組織を採取して病理検査(生検)を行い、確定診断をつけることができます。

「カメラを飲むのは苦しい」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、当院では患者様の苦痛を最小限に抑えるため、鎮静剤(静脈麻酔)を使用し、ウトウトと眠っているようなリラックスした状態で検査を受けていただけます。また、嘔吐反射(オエッとなる感覚)が起きにくい、極細の経鼻内視鏡(鼻からのカメラ)を選択することも可能です。

■4. 胃カメラで発見できるその他の疾患

胃カメラは、胃がんだけでなく、さまざまな消化器疾患の発見にも役立ちます。

  • 食道がん: 胃がんと同様に初期症状が乏しいですが、早期発見であればお腹を切らずに内視鏡治療のみで完治を目指せるケースも多数あります。
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍: 胃酸やピロリ菌などによって粘膜が深くえぐれた状態です。放置すると出血や穿孔(穴が開くこと)の原因になりますが、適切なお薬で治療可能です。
  • 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流し、粘膜に炎症を起こす病気です。しつこい胸やけやげっぷ、長引く咳などの原因になります。
  • 機能性ディスペプシア: 胃カメラで明らかな異常がないにもかかわらず、慢性的な胃痛や胃もたれが続く病気です。症状に合わせた内服薬や生活指導で治療します。
  • 胃ポリープ: 多くは良性(胃底腺ポリープなど)ですが、種類によってはがん化のリスクがあるため、定期的な経過観察が必要です。

■5. 胃カメラを受けるべき人と頻度の目安

以下に当てはまる方は、症状の有無にかかわらず、積極的に胃カメラ検査を受けることを強くお勧めします。

  • 40歳以上の方(胃がんのリスクが急激に高まり始める年代です)
  • ピロリ菌に感染している方、または過去に除菌治療を受けた方
  • 血縁のご家族に胃がんになった方がいる方(家族歴)
  • 長年の喫煙歴がある方、塩分の多い食事や過度な飲酒を好む方
  • 慢性的な胃もたれ、胸やけ、みぞおちの痛み、食欲低下などの不調がある方

検査頻度の目安としては、リスクの低い方で2〜3年に1回。ピロリ菌の除菌治療を受けた方や萎縮性胃炎を指摘された方は、特に除菌後5年間は年に1回の継続検査が推奨されています。

■6. よくある質問(Q&A)

Q: 胃カメラを受けるには、どれくらい前から絶食が必要ですか?

A: 基本的に、検査当日の朝は絶食でお越しいただきます。当院では、検査前日の夜21時以降はお食事を控えていただいております(お水やお茶など、透明な水分の摂取は可能です)。また、当院ではお仕事帰りにも受診しやすい「夕方の胃カメラ」にも対応しており、その場合は朝食を軽めにとり、昼食を抜いていただきます。詳しくは事前診察時にご案内いたします。

Q: ピロリ菌の検査と除菌治療は保険適用されますか?

A: はい、保険適用となります。ただし、日本の保険診療のルール上、「まずは胃カメラ検査を受けて、慢性胃炎や胃潰瘍などの確定診断がつくこと」が保険適用の絶対条件となります。

Q: 胃カメラ検査の当日、いつも飲んでいる薬は飲んでもいいですか?

A: 常用薬の取り扱いは種類によって異なります。血圧のお薬などは当日の朝に少量の水で服用可能ですが、糖尿病のお薬(血糖降下薬・インスリン)は絶食による低血糖を防ぐためにお休みしていただきます。また、当院では血液をサラサラにするお薬は原則として継続したまま検査を行いますが、事前に必ずお薬手帳をご提示いただき、医師の指示に従ってください。

Q: 胃カメラは何歳から受けられますか?初診ですぐに受けられますか?

A: 胃カメラに年齢制限はありません。胃の不快感や痛みなどの症状がある場合は、20代・30代でも保険適用で検査が可能です(症状が全くない健康診断目的の場合は自費診療となることがあります)。また当院では、前日21時以降の絶食など一定の条件を満たしていれば、「初診当日の胃カメラ検査」も可能です。ご希望の場合は、まずはお電話にてお問い合わせください。

■まとめ

胃がんは「初期症状がほぼない」という特徴があるため、自覚症状が出てから受診したのでは進行しているケースも少なくありません。

だからこそ、元気なうちに受ける定期的な胃カメラ検査が、早期発見・早期治療への最短ルートとなります。

たなか内科クリニックでは、経口・経鼻のいずれにも対応し、鎮静剤を活用して患者様の負担を抑えた丁寧な検査を行っています。

また、お忙しい方のために条件が合えば「初診当日の胃カメラ検査」や「胃カメラと大腸カメラの同日検査」にも対応しております。

「胃カメラが怖い」「初めてで不安」という方も、医師が分かりやすくご説明いたしますので、決して一人で悩まずにお気軽にご相談ください。

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