• 2025年6月17日

【緊急警報】大阪府でりんご病が大流行。1999年以来初の「警報レベル」です。

お子様と妊娠中の方へ、医師からの重要なお知らせ。

こんにちは。たなか内科クリニック院長の田中です。

6月12日、大阪府より「伝染性紅斑(りんご病)」の感染拡大が、現行の調査が始まって以来初めて「警報レベル」に達したとの発表がありました。

当クリニック周辺の大阪市でも患者数が増加しており、皆様の不安なお気持ちを少しでも和らげ、適切な対応をとっていただけるよう、緊急でこの記事を書いております。

1999年以来初、大阪府全域で警報レベルに

大阪府の発表によると、府内の定点医療機関あたりの患者報告数が、国の定める警報基準である「2.0人」を超える「2.14人」に達しました。これは、現在の調査方法が導入された1999年以降、初めてのことです。

りんご病は、これまでも子どもを中心に流行することがありましたが、今回はまさに”異例の流行状況”と言えます。


りんご病(伝染性紅斑)とは?

改めて、りんご病の主な特徴をおさらいしましょう。

  • 原因: ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。
  • 感染経路: 咳やくしゃみなどの飛沫感染、ウイルスが付いた手で口や鼻を触ることによる接触感染で広がります。
  • 症状:
    • 感染後10日~20日の潜伏期間を経て、微熱やかぜに似た症状が出ます。
    • その後、両頬がリンゴのように赤くなるのが特徴的な症状です。
    • 腕や足に網目状・レース状の発疹が見られることもあります。
    • 大人の場合は、頬の赤みは目立たず、強い関節痛(特に手足の指、手首、膝など)が主な症状となることがあります。

感染力が最も強いのは、頬の赤みなど特徴的な発疹が出る約1週間前の「かぜ症状」の時期です。発疹が出た後には、感染力はほとんどなくなっているとされています。


【最重要】妊娠中の方、妊娠の可能性がある方は特にご注意ください

りんご病で最も注意が必要なのは妊婦さんの感染です。

妊娠中の方がりんご病に感染すると、ウイルスが胎盤を通じてお腹の赤ちゃんに感染し、「胎児水腫」という重い合併症を引き起こし、流産に至るリスクが高まります。

周囲にりんご病の患者さんがいる、ご自身やご家族にかぜのような症状があるなど、少しでもご心配な点があれば、ためらわずに当クリニック、またはかかりつけの産婦人科にご相談ください。


私たちに今できること

りんご病には特効薬やワクチンがありません。そのため、感染を予防するための基本的な対策が何よりも重要になります。

  1. こまめな手洗い: 外出後、食事の前、トイレの後など、石鹸と流水で丁寧に手を洗いましょう。
  2. 咳エチケットの徹底: 咳やくしゃみをする際は、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖の内側などで口と鼻を覆いましょう。
  3. 人混みを避ける: 流行が警報レベルに達しているため、特に妊娠中の方や小さなお子様は、不要不急の外出や人混みを避けることをお勧めします。
  4. 十分な休養と栄養: 免疫力を高めるため、普段からバランスの取れた食事と十分な睡眠を心がけましょう。

心配な症状があれば、すぐにご相談ください

  • 頬に赤みや体に発疹が出た
  • 原因不明の発熱や関節痛がある
  • ご家族や周囲でりんご病と診断された方がいる

このような場合は、自己判断せず、ぜひ当クリニックにご相談ください。

特に妊娠中の方で、感染の可能性がある場合は、その旨を必ずお伝えください。

クリニックとして、地域の皆様の健康を守るために、正確な情報提供と適切な診療に全力で努めてまいります。ご不安な点がございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。

リンゴ病(伝染性紅斑)は上記の通り、パルボウイルスB19というウイルス感染症です。潜伏期間(症状が発症するまでの期間)があり、「ウイルスの排出は紅斑がでる7日前から紅斑出現まで」、とされていますので、紅斑が出現した時点で周囲に感染を広めている可能性があります。感染が流行している時期で小さなお子さんをお持ちの妊婦の方は感染予防を徹底していただければと思います。

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