- 2026年9月1日
夏なのにインフルエンザ? 今年は早めの対策を

こんにちは。
明石市のJR大久保駅北口すぐ、たなか内科クリニック院長の田中敏雄です。
インフルエンザといえば冬の病気というイメージが強いですが、近年は夏の時期であっても油断できない状況が見られるようになっています。明石市にお住まいの皆さまにも、今すぐ知っていただきたい夏のインフルエンザの傾向と対策についてお伝えします。
■1.いつもと違う夏のインフルエンザ

厚生労働省の発表(2026年8月10〜16日の週)によると、全国の定点医療機関あたりの感染者数は0.69人(前週0.52人)に増加しました。沖縄・青森・埼玉・神奈川・東京・千葉など6都県で「流行入りの目安」(1.0人以上)を超えています。関西圏でも感染が報告されており、明石市でも油断は禁物です。
現在の全国の流行状況
インフルエンザ 流行レベルの目安(定点あたり患者数)
- 1.0人以上:流行開始
- 10人以上:注意報レベル
- 30人以上:警報レベル
8月10〜16日の週の主な都府県の状況(定点あたり患者数):
- 沖縄県:2.89人
- 青森県:1.71人
- 埼玉県:1.70人
- 神奈川県:1.37人
- 東京都:0.91人
- 千葉県:0.83人
全国平均は1.0人を超えていませんが、昨年は10月に全国的な流行が始まりました(例年より約1か月早い)。今年も早い時期から感染が広がる可能性があり、早めの警戒が必要です。
■2.明石市のインフルエンザ動向
明石市では、市内のインフルエンザ定点医療機関から毎週の感染者数を集計・公表しています。「定点当たり報告数」とは、定点医療機関から報告された1週間の患者数の合計を定点医療機関数で割った値(1医療機関あたりの平均)で、これによって地域の流行状況を把握することができます。
明石市の流行レベルの目安
- 流行開始の目安:定点あたり患者数が「1」以上となったとき
- 注意報開始の基準:定点あたり患者数が「10」以上となったとき
- 警報開始の基準:定点あたり患者数が「30」以上となったとき
最新データ:第34週(2026年8月17〜23日)の明石市の状況
明石市のインフルエンザ定点サーベイランス(市内11医療機関)によると、第34週(2026年8月17〜23日)の定点あたり報告数は0.09人でした。流行開始の目安となる1.0人を大きく下回っており、現時点では明石市でのインフルエンザの本格的な流行は確認されていません。ただし、第29〜34週にかけて散発的な報告が継続しており、今後の動向には注意が必要です。
明石市インフルエンザ定点報告数の推移(第29〜34週)
| 集計週 | 定点あたり報告数 (11機関) | 状況 |
| 第29週(7/13〜7/19) | 0.09人 | 散発的な報告 |
| 第30週(7/20〜7/26) | 0.18人 | 散発的な報告 |
| 第31週(7/27〜8/2) | 0.00人 | 報告なし |
| 第32週(8/3〜8/9) | 0.18人 | 散発的な報告 |
| 第33週(8/10〜8/16) | 0.09人 | 散発的な報告 |
| 第34週(8/17〜8/23) | 0.09人 | 最新値(流行未満) |
出典:明石市感染症情報(明石市保健所) 定点:11医療機関
現在の明石市の状況まとめ
第34週時点で明石市はインフルエンザの流行期には入っていません(定点0.09人、基準値の1/10以下)。ただし散発的な報告は続いており、全国的な感染拡大も続いています。今後は気温の低下とともに感染者が増える可能性があります。早めの予防対策を心がけてください。
インフルエンザの特徴(A型・B型・C型)
インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型があり、流行の原因となるのは主にA型とB型です。国内では「A(H1N1)亜型」「A(H3N2)亜型(香港型)」「B型」の3種類が近年の主な流行株となっています。これらの型は毎年少しずつ変異を繰り返しており、同じシーズンに複数の型が流行することもあります。そのため、A型に2回罹ったり、A型とB型両方に感染するケースもあります。
■2.なぜ夏にインフルエンザが流行するの?

インフルエンザは冬の病気というイメージがありますが、近年は夏の流行も見られるようになっています。主な理由として、以下のことが考えられます。
1南半球からのウイルスの流入
日本の夏は南半球の冬にあたります。南半球の国々ではインフルエンザが流行しており、そこからの旅行者や帰国者がウイルスを持ち込むケースが増えています。
2.夏休みによる人の移動の活発化
海外旅行・国内旅行が増える夏は、人の往来が多くなる時期です。それに伴い、ウイルスが各地に広がりやすくなります。
3.猛暑による換気不足・免疫低下
厳しい暑さで屋内で過ごすことが増えると、エアコンを使いながら窓を閉め切るため換気が不足しがちです。また、猛暑そのものが体の免疫力を低下させ、感染しやすい状態を作り出します。
変異株「サブクレードK」に注意
昨年秋に感染が拡大したA型インフルエンザの変異株「サブクレードK」が、今年は6〜8月にかけて南半球の国々で流行しています。この変異株はこれまでのワクチンが効きにくく、抗体を持っていない方が多いため、感染が広がりやすい傾向があります。例年の感染対策に加えて、より注意が必要です。
■3.今からできる感染予防のポイント

ワクチン接種は多くの自治体で10月から始まります。それまでの間も、基本的な対策をしっかり続けることが大切です。
- 手洗い・手指衛生:流水と石鹸での手洗いはウイルスを物理的に除去する最も効果的な方法です。アルコール消毒も有効です。帰宅後や食事前は必ず行いましょう。
- 換気を積極的に:エアコン使用中でも定期的に窓を開けましょう。台所・洗面所の換気扇の活用も効果的です。閉め切った室内は要注意です。
- マスクの着用:混雑した場所や屋内での飛沫感染を防ぐためにマスクを活用しましょう。特に高齢の方・持病のある方・妊婦さんは人混みへの外出時に着用をお勧めします。
- 湿度の管理:乾燥すると気道の防御機能が低下します。冷房で乾燥しやすい室内では加湿器などを使い、湿度50〜60%を保つことが効果的です。
- 十分な休養と栄養:体の抵抗力を維持するために、睡眠不足や偏った食事を避けましょう。暑さで体力が奪われやすい夏こそ、生活習慣の見直しを。
- ワクチン接種(10月〜):ワクチンは発症リスクの低減・重症化防止に有効です。65歳以上の方などは定期接種の対象となります。10月の接種開始を待たず、今から他の対策で備えましょう。
■4.発症したときの療養の目安

インフルエンザと診断された場合は、周囲への感染拡大を防ぐためにしっかり自宅療養することが大切です。
【療養期間の目安】
学校保健安全法では、「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)が経過するまで」が出席停止期間と定められています。社会人の場合は法的な基準はありませんが、同様の期間を目安に自宅療養される会社が多いです。
症状が疑われる場合は、早めにご来院ください。抗インフルエンザ薬(タミフルなど)は発症後48時間以内の服用が最も効果的です。
■ おわりに:発熱・体調不良はお気軽にご相談ください

たなか内科クリニックでは、発熱・インフルエンザの診療を行っております。「夏なのに熱が出た」「急に体がだるくなった」など、この時期に気になる症状がある方はどうぞお早めにご来院ください。スムーズにご案内するため、受診前にお電話いただけますと幸いです。