- 2026年6月2日
脂質異常症で食べてはいけないもの|コレステロールを下げる食事の基本

こんにちは。明石市のJR大久保駅北口すぐにある「たなか内科クリニック」です。
健康診断などで「悪玉(LDL)コレステロールが高い」「中性脂肪が気になる」と指摘され、毎日の食事メニューに悩まれている方は少なくありません。今回は、脂質異常症を改善するために「控えるべき食べ物」と「積極的に摂りたい食事の基本」について分かりやすく解説します。
■脂質異常症の診断基準と食事が与える影響
脂質異常症は、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)・中性脂肪(トリグリセライド)が基準値を超えた状態、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が低下した状態を指します。日本動脈硬化学会のガイドラインでは、LDL-C 140mg/dL以上を高LDLコレステロール血症、中性脂肪 150mg/dL以上を高トリグリセライド血症、HDL-C 40mg/dL未満を低HDLコレステロール血症と定義しています。これらは動脈硬化を進め、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めるため、早期の生活習慣改善が求められます。
食事から摂取するコレステロールの影響は、かつて考えられていたほど大きくはありませんが、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の過剰摂取は血中LDL値を顕著に上昇させます。一方で食物繊維やn-3系多価不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールや中性脂肪を低下させる効果があることが多くの臨床試験で確認されています。毎日の食事内容を意識するだけで、お薬に頼らずに血液検査の数値を改善できるケースも少なくありません。
■積極的に控えるべき食品と成分
脂質異常症で最も注意すべきは飽和脂肪酸の過剰摂取です。飽和脂肪酸は常温で固まる脂に多く含まれており、牛・豚の脂身、バター、生クリーム、ラード、ベーコン、ソーセージ、チーズなどが代表例です。これらを毎日大量に食べていると、肝臓でのLDLコレステロール産生が増加し、血液中のLDL値が上昇します。日本人の飽和脂肪酸摂取量の目標は、総エネルギーの7%以下とされています(成人の場合、1日約16g未満が目安)。
次に注意が必要なのがトランス脂肪酸です。マーガリン、ショートニング、市販のクッキー・ケーキ・スナック菓子・ファストフードなどに含まれており、LDLを上昇させるだけでなくHDLを低下させる「二重に悪い」作用を持ちます。WHO(世界保健機関)はトランス脂肪酸の摂取を総エネルギーの1%未満に抑えるよう勧告しています。また、糖質の過剰摂取も中性脂肪を著しく上昇させるため、白米・パン・麺・菓子類・果物の食べすぎも控えることが重要です。
■積極的に摂りたい食品と栄養素

脂質異常症の改善に効果的な食品の筆頭は、青魚(サバ・イワシ・サンマ・アジなど)です。青魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)というn-3系多価不飽和脂肪酸が豊富で、中性脂肪を30〜40%低下させる効果が臨床的に証明されています。厚生労働省は週に2〜3回の魚食を推奨しており、可能であれば焼き・煮物など油を加えない調理法が理想的です。サバ缶やイワシ缶は手軽に使えるうえEPA・DHAが豊富で、忙しい方にも活用しやすい食材です。
食物繊維も脂質異常症改善の強い味方です。水溶性食物繊維は腸内でコレステロールを吸着し、体外へ排出する働きを持ちます。オートミール・大麦・こんにゃく・海藻類(わかめ・昆布・もずく)・果物(リンゴ・柑橘類)などが水溶性食物繊維の豊富な食品です。大豆製品(豆腐・納豆・豆乳・おから)に含まれる大豆イソフラボンやサポニンにもLDL低下作用があり、1日1品以上の大豆製品摂取が推奨されます。オリーブオイルに豊富なオレイン酸(n-9系一価不飽和脂肪酸)はLDLを下げつつHDLは維持する優れた脂質であり、炒め物や和え物に活用するとよいでしょう。
■外食・コンビニでの食事選びのコツ

脂質異常症の方が外食をする際は、揚げ物・炒め物・クリーム系メニューを避け、焼き・蒸し・煮物・刺身などの調理法を選ぶことが基本です。定食メニューを選ぶと主食・主菜・副菜・汁物がそろい、栄養バランスが取りやすくなります。和定食(焼き魚定食・刺身定食など)は比較的脂質が少なく、食物繊維も摂れるためおすすめです。丼もの・麺類単品は糖質に偏りがちですので、サラダや海藻の副菜を加えるだけでバランスが向上します。
コンビニでは、サラダチキン・ゆで卵・冷奴・おひたしなどのたんぱく質・食物繊維源を選び、スナック菓子・菓子パン・アイスクリームの代わりにナッツ類(無塩)・ヨーグルト・果物を選ぶと脂質・糖質のコントロールがしやすくなります。食品表示のエネルギー・脂質・飽和脂肪酸の欄を確認する習慣をつけることも大切です。
脂質異常症の治療は食事だけでなく、定期的な血液検査で数値を確認しながら進めることが重要です。明石市大久保のたなか内科クリニックでは、脂質異常症の管理・治療を丁寧に行っています。気になる検査値がある方や、ご自身の食事内容に不安がある方は、ぜひお気軽に当院にご相談ください。